あかはたもちは
紅藻の一種アカバギンナンソウの生および乾燥させたものを真水でよく洗浄し、柔らかくなるまで蒸したものを平たく延ばし、しばらく放置しておくと羊羹のように固まる。これを一定の大きさに裁断したものである。
主な生産地
八戸市近郊の沿岸地域から岩手県三陸沿岸地域の伝統食品の1つである。
生産の動向
近年、アカバギンナンソウの不漁により、大規模には作られなくなった。
原料選択のポイント
アカバギンナンソウは、浅瀬の岩場に繁茂しており、荒天時の波浪等により海岸に打ち上げられたものを採取し原料とする。1~4月に採取した原料海藻は、翌年のあかはたもちを製造する際に使用するために、乾燥して保存しておく。
使用する副原料
アカバギンナンソウ以外には一切副次的原料や食品添加物を使用しておらず、無添加食品である。
加工技術
アカバギンナンソウを蒸して冷却することにより、餅様の食品としたものである。固化の理由は、藻体に含まれる多糖類によるものである。
製造工程の概略

加工の実際
- 原料 乾燥させておいた海藻を使用する。(写真1)
- 洗浄 乾燥海藻に付着している砂などの夾雑物を除去するため、2~3回手早く水洗いして水切りする。
- 蒸煮 蒸し釜に海藻を入れ、とろ火で蒸し、葉体が軟らかくなってきたらヘラで徐々に攪拌しながら、1時間程度葉体が完全に溶ける程度まで処理する。(写真2,3)
- 成形・冷却 蒸し上がったものは熱いうちに清潔なゴザの上にとり、厚さ約0.7cm程度に均一に伸ばし自然放冷する。(写真4,5)
- 切断 縦9~10cm、横4cm程度の大きさに包丁で切断する。(写真6)
- 包装 トレーに入れ、ラップで簡易包装する。
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加工に用いる機器等
蒸し釜
品質管理のポイント
原料の採取地域により、製品の品質、特に食感に大きな差が生じる。また、蒸し時間、蒸気の当て加減は、品質におよぼす影響が大きいので注意する。
製品の形態
この製品は蒸煮、成形した総菜食品である。
包装および保管方法
含気包装でトレーに詰めラップ包装が一般的である。基本的にこの製品は保存食品ではないため、常温では保存性が極めて低く夏期では1日以内、家庭用冷蔵内で3日程度とみられている。冷凍保管することもある。
調理方法および食べ方
製品を薄く切り、酢味噌、酢醤油であえる、また、薄切りしてキュウリあえなどで食べる。
(著者:(旧)青森県ふるさと食品研究センター 成田 清一)
