目次
第12章 藻類加工品 第6節 その他藻類加工品

串目(海藻のみそ焼き)

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主生産地

キーワード

褐藻/みそ焼き/はさみ串/奥能登

備考

Kushime/伝統的加工品

串目(海藻のみそ焼き)とは

 串目(海藻のみそ焼き)とは、冬から早春にかけて採集されるホンダワラ科のホンダワラ(写真1)やアカモク、カヤモノリ科のハバノリ(写真2)、セイヨウハバノリやカヤモノリなどを、味噌と酒、唐辛子を合わせたタレに和え、竹のハサミ串で挟んだのち巻き付けて、囲炉裏で串に刺した魚のように焼いたものである(写真3)。パリパリになるまで焼いたものをそのままや、ご飯のおかず、酒のあてにして食する(写真4)。奥能登に古くから伝わる料理法である。近年では囲炉裏のある家庭は少ないが、魚焼きグリルで同様に料理することができる。

写真1 ホンダワラ(提供:池森貴彦) 
写真2 ハバノリ(提供:池森貴彦)
写真3 ホンダワラとアカモクの串目(提供:池森貴彦)
写真4 ホンダワラの串目割り箸使用(提供:池森貴彦)

主な生産地

 能登外浦(輪島市、珠洲市)

生産・消費の動向

 能登には四季折々に多くの種類の海藻を食する食文化が残っており、この串目もその代表的なもののひとつである。近年では囲炉裏のある家が少なく、囲炉裏を使ったこの料理法はほとんど見られなくなったが、奥能登の家庭料理として家庭用の魚焼きグリルを使っての料理や、民宿や料理店でも提供されることがある。しかし、2024年1月に発生した能登半島地震と9月の豪雨被害により、奥能登地域は甚大な被害を受け、この海藻食文化の存続も危うい状況にある。

加工技術

 能登で冬から早春にかけて生育する生海藻を使い、味噌や酒、唐辛子をあえて串に巻き付け、囲炉裏で焼くという料理法は他地域に例を見ない。奥能登の豊かな海藻食文化を感じさせる一品である。

製造工程の概略

加工の実際

串目(海藻のみそ焼き)は、奥能登で育まれた独特の海藻料理である。使用する海藻は、それぞれの地域で生育し採集される海藻を使用するため、数種類の褐藻が使われる。

  • 原料洗浄 生海藻をボウルに真水を入れた中で洗う。真水で洗うことで付着動物や砂がボウルの底に沈みあるいは水面に浮いて分離しやすくなる。

  • 水切り 洗浄した海藻をザルに上げて水切りする。

  • 和えダレ調合 別の容器に味噌、日本酒、粉唐辛子、好みでみりんや砂糖を加えてかき混ぜ、均一にする。

  • 和える 作成したタレに水切りした海藻を入れて箸などで和える。

  • 串に巻く 竹などでできたはさみ串にまず和えた海藻の端を挟み、串の周りに巻き付け、厚みが均一な円柱状に仕立てる。はさみ串が無い場合には割り箸を割らずに代用してもよい。

  • 焼く 囲炉裏の遠火が当たる場所に海藻を巻き付けたはさみ串を刺し、表面がパリパリになるまで焼く。囲炉裏がない家庭が多いので、その場合は魚焼きグリルで弱火にして焼く。

  • 盛付け 程よく焼けたら串ごと皿に盛りつけて食する。

加工に用いる機器等

 囲炉裏あるいは魚焼きグリル、はさみ串あるいは割り箸

品質管理のポイント

 新鮮な旬の生海藻を使うことで美味しく仕上がるが、入手できない場合には生海藻を冷凍したものを使うこともできる。

製品の形態

 料理の仕上がりは、串に海藻を巻いた細長い形状となる。

包装および保管方法 

 保管はせず焼きたてを食する。

調理方法および食べ方

 パリパリになるまで焼いたものをそのままや、ご飯のおかず、酒のあてにして食する。奥能登に古くから伝わる料理法である。近年では囲炉裏のある家庭は少ないが、魚焼きグリルで同様に料理することができる。

(著者:石川県水産総合センター 池森 貴彦)