いか徳利とは
イカ(主にスルメイカ)を徳利の形状に乾燥成形した「食べられる酒器」である。いか徳利に熱燗を注ぎ、しばらく待つとイカの風味が酒に溶け出し、独特な味わいとなる。これを2、3回繰り返すと徳利が柔らかくなるので、スルメと同様に炙って食す。
生産量は多くないが、地域のお土産品として根強い人気がある。本稿では、宮津市で地域の伝統産品として「宮津遺産」に認定されているいか徳利について解説する。
主な生産地
北海道(函館市)、岩手県(宮古市、山田町)、新潟県(佐渡市)、京都府(宮津市)など
生産の動向
公的な統計はない。宮津市では年間約8,000個が生産されている。
原料選択のポイント
大きさや肉厚の観点からいか徳利に適した新鮮なスルメイカを用いる。
製造工程の概略
生産地により若干工程が異なる。以下京都府宮津市の例を示す。

加工の実際
- 前処理 生イカの脚や内臓を取り除き、皮を剥く(写真1)。
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- 半乾燥 半乾きの状態まで乾燥する。
- 空気封入・乾燥 徳利の首(くびれた箇所)の部分に自社で作った専用のプラグを取りつけ、空気で膨らませ乾燥させる(写真2、3)。この時、首の部分の大きさがイカによって違うので、それぞれの形に気をつけながら手作業で丁寧に形を整える。
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- 底成形 ある程度乾いたら、反対側の尖った部分を中に押し込み、平らに整えて徳利の底を作る。仕上げ乾燥 カチカチになるまで乾燥させたら徳利はできあがり。徳利の形を作るまでに3日、形を作ってから2~3日と合計5~6日かけて乾燥する(写真4)。
写真④-1024x685.jpg)
なお、お猪口をイカの耳を使用して製造する。製法は徳利と同じように一度半乾きにしたあと、平にプレスしてお猪口の形に整え、3日程乾燥する。お猪口と徳利をセットとして3品とする。
また、前処理工程で取り除いたイカの足は、乾燥させて別の商品として販売する。
加工に用いる機器等
空気封入専用プラグ
品質管理のポイント
雑菌の繁殖を防止するため、(カチカチになるまで)水分活性を十分に下げる。
製品の形態
徳利とお猪口をセットにした個別包装
調理方法および食べ方
いか徳利に熱燗を注ぎ、しばらく待つとイカの風味が酒に溶け出し、独特な味わいとなる(写真5左)。これを2、3回繰り返すと徳利が柔らかくなるので倒れないように小鉢などに入れて支える(写真5中)。その後はスルメと同様に炙って食す(写真5右)。
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参考文献
・宮津市ホームページ 酒の“つまみ”まで面倒みます! 宮津遺産『徳利いか』
https://www.city.miyazu.kyoto.jp/site/citypro/5849.html
(著者:鞍岡 義行)
(協力:京都府水産事務所 山本 圭吾)
