目次
第12章 藻類加工品 第5節 調味加工品

焼き海苔

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保存方法

常温保存

キーワード

焙焼/海苔/クロロフィル/カロテノイド

備考

Yaki-nori/伝統的加工品

焼き海苔とは

 スサビノリやアサクサノリからつくられた乾し海苔を原料とした二次加工品で、乾し海苔を焙焼し水分を1%程度まで低下させた製品である。深く鮮やかな緑色とノリ特有の香りが特徴であり、常温で1年程度の長期保存が可能な製品である。

主な生産地

 兵庫県、佐賀県、愛知県、福岡県などが主な生産地であるが、兵庫県では乾し海苔生産量の95%以上が焼き海苔、味付け海苔として加工されている。2024年度は全国で59.4億枚生産されている。また、コンビニエンスストアの展開により半裁したおにぎり用や、寿司用など業務用の需要が生産量の約7割に達している。

原料選択のポイント

 色の黒いつやのある上質な乾し海苔を使用する。

加工技術

 乾し海苔は焙焼によって色素タンパク質であるフィコビリンが変性し退色する一方、クロロフィルの青緑色や、比較的熱に強いカロテノイドの黄色が残り、鮮明な青緑の焼き色が出てくる。
 また、焙焼することにより、乾し海苔では13%程度あった水分が1%程度まで低下するとともに、微生物の繁殖や酵素活性が抑えられ、保存性が向上する。

製造工程の概略

加工の実際

  • 原料 スサビノリやアサクサノリからつくられた乾し海苔を原料とする。鮮度保持のため、-25℃の大型冷凍倉庫で乾し海苔原料を保管している。

  • 火入れ 原料乾し海苔を「火入れ」と称する加熱処理によって水分を3%程度にまで除去させ、ラミネート袋に入れる。この状態では、冷暗所で約1年程度の長期保存が可能である。

  • 焙焼 コンベアー式の焼き機に送り込み電熱等の熱源によって200~250℃、10~20秒間焙焼する。加熱条件は、原料の品質により大きく異なるが、焼き上がりの水分含有量は1%程度である。(写真1,2)
写真1 焼き海苔の焼き工程(1) 
(提供:兵庫県漁業協同組合連合会)
写真2 焼き海苔の焼き工程(2) 
(提供:兵庫県漁業協同組合連合会)
  • 裁断 太巻き用は全型(写真3)のまま、中巻き、細巻き用、おにぎり用等は使用用途により半切、3切等の裁断を行う。

  • 包装 防湿性のある樹脂製の袋に乾燥剤と一緒に入れ包装する(写真4)
写真3 全型海苔
(提供:兵庫県漁業協同組合連合会)
写真4 焼き海苔の包装済みパッケージ
(提供:兵庫県漁業協同組合連合会)

加工に用いる機器等

 焼き機

品質管理のポイント

 直射日光を避け吸湿させない。

特徴的な成分

 焼き海苔にはビタミン(A,K,B12,C,葉酸)やミネラル、ヨウ素、カロテンなどが豊富に含まれている。
(水産物に含まれる各種成分の効能については、「この図鑑の使い方」末尾の【参考情報】をご参照ください)

包装及び保管方法

 プラスチック包装およびペット容器に封入写真4し、冷暗所で保管する。

調理方法および食べ方

 巻き寿司写真5やおにぎり写真6、近年ではおにぎらず写真7の形でも利用される。

写真5 巻き寿司
(提供:兵庫県漁業協同組合連合会)
写真6 おにぎり
(提供:兵庫県漁業協同組合連合会)
写真7 おにぎらず (提供:兵庫県漁業協同組合連合会)

(著者:兵庫県漁業協同組合連合会 小林 豊弘)