塩昆布・乾燥塩こんぶとは
塩こんぶは角切りしたコンブを調味炊きしたもの、乾燥塩こんぶはこれを乾燥し、まぶし粉と混合したものである。
平安時代にはすでにコンブを醤で煮込んだものがあったとされる。明治時代に大阪で塩こんぶの販売が始まり、その後、全国に知られるようになった。
昔の塩こんぶはかんてき(七輪)にコンブ(マコンブ)を入れた鉄釜をのせ、薪で炊いて作っていた。その後、釜は鉄からステンレス製に代わり、火力もガス、燃油に代わっていった。
当時の塩こんぶは、醬油ばかりで作っていたので、乾燥すればその名のとおり、コンブの表面に自然に塩が吹き出ていた。塩こんぶの嗜好も、そのような固く塩辛い味から、今日では軟らかな歯ざわりのものへと、適当な風味を持つものが好まれるようになった。
主な生産地
主に京阪神地域
原料選択のポイント
北海道産の最高級の天然マコンブ(色艶が良く、肉厚で破れのないもの)を使用する。
加工技術
塩こんぶの製法のむずかしさは、最高級のコンブが使われることと、調味炊きおよび乾燥にある。また、塩こんぶの品質の良否は原料の選択にもよるが、水分の調整の仕方と、まぶし粉の付着性にもある。さらに乾燥くずれ品や不揃品を1枚1枚選別するのもなかなか大変な仕事である。
製造工程の概略

加工の実際
- 原料、耳断ち 高級コンブを1枚ごとに厳選しながら、コンブの先端および葉の薄い部分を切り除く。作業途中、コンブが乾いて破損の恐れのあるときは、打ち酢を行いコンブに適当な湿気を含ませる。
- 角切り切断、選別 角切り機で切断する。切断された角切りコンブは、網目のふるい機にかけられ、規格以外の不揃い品は網目をくぐって落ち、規格品のみが風力選別機にかかり、肉厚のものだけが塩こんぶの材料に選ばれる。なお、コンブを煮ると縦と横の伸び具合が違うので、縦2.8cm、横2.2cmにすると製品がちょうど3cm角になる。
- 蒸煮(調味炊き)、液切り ステンレス製煮炊き釜の中で醤油(たまり)、出し汁、砂糖、みりんおよびグルタミン酸ナトリウムなどの調味料を加えたものを沸騰させて、その中に角切り原料を投入する。
煮込みの方法は、「煎り炊き」と「浮かし炊き」がある。「煎り炊き」の場合、例えば強火で30分、中火で2時間、とろ火で2時間、それらの火加減を1釜、1釜のくせに合わせて、汁加減をみながら火力の調整を行う。コンブの形を損なわないようにまんべんなく旨味をいきわたらせる攪拌(天地がえ)を30分に1回くらいの割合で行い、焦げつかないように注意して煮込む(写真1)。釜の底に少し液が残っている程度で消火し、その後1時間ほど蒸しを行う。「浮かし炊き」の場合は煮汁を多く使用し、炊き上がるまで煮汁がある状態とする。煎り炊きに比べて出来上がりの商品がふっくらとした触感に仕上がる。塩こんぶが炊き上がったら別の容器に移し、1晩かけて液切りを行う。(塩こんぶの煮上がり。)
- 乾燥 液切りされたコンブは、7段くらいの棚にある乾燥機に収容する(写真2)。すなわち、簀子(すのこ)になった浅い枠箱(4kgくらい収容)にコンブを広げ、各棚に収容する。湿度を適当に調節した70℃前後の熱風を下方から上方に通す。約30分ごとに棚中のコンブを手で混ぜほぐす。同時に上段と中段、中段と下段など枠箱の配置を変える。大体3~4時間で熱風を止め、そのままの状態で冷却、一晩あん蒸して、内部の水分を表面に拡散・均一化を図る。翌朝、前日よりやや低温の60℃前後で同様に乾燥を行う。乾燥の仕上げ状態は製品の味覚やまぶし粉の付着性に大きな影響を与える。
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- まぶし粉と混合 1枚1枚厳選し、乾燥くずれ品や不揃い品を取り除き、四角な肉厚コンブのみをグルタミン酸ナトリウムと粉末調味料(アラニン、グリシン、乳糖、カルシウム、食塩)を合わせて粉付けを行い、乾燥塩こんぶに仕上げられる。まぶし粉のベースはグルタミン酸ナトリウムと粉末調味料が標準である。ポイントは煮熟コンブの水分調整の仕方と、まぶし粉の付着性あるといってよい。まぶし粉の付着性に関与している要因はいろいろあるが、グルタミン酸ナトリウムと粉末調味料の粒形がかなり関係している。
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(提供:㈱小倉屋山本)
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(提供:㈱小倉屋山本)
製品の形態
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包装および保管方法
パウチによる小分け包装であることが多い。
長期の貯蔵性があるが、若干酸味が生ずるといわれるので、低温で貯蔵した方がよい。
調理方法および食べ方
そのまま食べる以外に、お茶漬けやおにぎり、あえ物等の具材として使用する。
(著者:大阪昆布商工業協同組合 池上 時治郎、大阪府立環境農林水産総合研究所 辻村 浩隆)
