目次
第4章 ねり製品 第6節 茹でかまぼこ

すじかまぼこ

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保存方法

冷蔵保存

キーワード

すじ(結合組織)/軟骨/冷凍すり身/茹でかまぼこ/コラーゲン/ゼラチン

備考

Suji-kamaboko/伝統的加工品

すじかまぼことは

 すじかまぼことは、冷凍すり身にすじ(結合組織)や軟骨を混合して作られるかまぼこである。おでんの具材で“すじ”といえば、関西では牛すじのことをさすが、関東ではすじかまぼこのことをいう。コラーゲンを主成分とする魚のすじは、加熱することによりコラーゲンがゼラチンに変化する。その結果、すじかまぼこの独特な食感と風味が生み出される。特に、浮きはんぺんの主原料であるサメ肉を分離した後に残るすじと軟骨で作られたすじかまぼこは、コリコリした歯ざわりと、ゼラチンによるもちもちとした食感が特徴的である。

写真1 すじかまぼこ(提供:全国蒲鉾水産業加工協同組合連合会)

主な生産地

 すじかまぼこは、東京、千葉や神奈川などのはんぺん生産地域で製造されるねり製品で、関西ではほとんど見られない。

生産と消費の動向

 地域限定商品のため生産量の統計はないが、関東ではもっぱらおでん種として消費されている。

原料選択のポイント

 原料は、かまぼこやはんぺんの原料となる魚肉を採取した後の、魚のすじやサメの軟骨が主原料となる。現在では、サメのすじや軟骨を冷凍したものが流通しており、原料とする場合もある。特に、サメの場合は軟骨が多く入っている原料を使用する方が、コリコリした食感が楽しめる。サメの魚肉に多く含まれる尿素は、時間がたつと酵素により分解されアンモニアが発生し、臭いが強くなる。このため、なるべく鮮度のよいうちに使用するか、長期保存をする場合には、魚肉とすじおよび軟骨を分離した後、速やかに冷凍して保存する。

加工技術

 一般的なかまぼこと同様であるが、すじや軟骨を加える点が異なっている。

製造工程の概略

加工の実際

  • 細砕 原料魚から分離したすじと軟骨をミートチョッパーで細砕する。

  • 擂潰らいかい すじと軟骨を生すり身または冷凍すり身と混合する。塩を1~1.5%加えて擂潰する。

  • 成形 擂潰したすり身を手作業で棒状(300~400g/1本 程度)に成形する。

  • 加熱 竹の簾で巻いて80~90℃で40~50分間、湯煮する。最近では保存性を高めるために、蒸して加熱することもある。

  • 冷却 製品の中心温度が10℃以下になるまで冷却する。

  • 包装 簡易包装(トレーに入れてラップ包装)または脱気包装する。脱気包装の場合は80~90℃で再加熱する。

加工に用いる機器等

 一般的なかまぼこ製造に用いられるミートチョッパーや擂潰機などを使用する。

品質管理のポイント

 賞味期限は10℃以下の保存温度で簡易包装した製品では製造日から1週間程度で、脱気包装した製品では3週間程度である。また、そのまま生食することはほとんどなく、おでん材料や甘辛く煮るなどして食べる製品なので、水分が蒸発しないように密封すれば、家庭用冷蔵庫でも冷凍保存が可能である。

製品の形態・包装等

 製品の販売形態により異なる。店頭で販売される場合には包装をせずに販売されるが、量販店等で販売される場合には、トレー・ラップ包装や脱気包装をして販売される。

健康機能性成分

 すじの主要タンパク質はコラーゲンである。また、サメの軟骨はグルコサミンやコンドロイチン硫酸を多く含んでいる。
(水産物に含まれる各種成分の効能については、「この図鑑の使い方」末尾の【参考情報】をご参照ください)

調理方法および食べ方

 主におでんの具材として食されるが、甘辛煮にしてもおいしく食べることができる。

(著者:元全国蒲鉾水産加工業協同組合連合会蒲鉾研究所 石内 幸典)