おぼろ昆布とは
醸造酢につけ柔らかくしたコンブ(マコンブ)の表面を薄く削りとったもので、製品はひらひらとした帯状である。北前船航路の開発により、北海道と京都・大阪の中継地点である福井県敦賀市でコンブの加工が盛んとなり、現在でも手すきおぼろ昆布の生産量の約80%は敦賀市で生産されている。
主な生産地
福井県敦賀市、大阪府、北海道
原料選択のポイント
マコンブが用いられる。白い部分が多く、肉厚のものが良い。ただし厚さや硬さに違いがあるため、統一的な製法は取られていない。
加工技術
酢酸酢に浸すことにより、コンブから薄く削り取ることが可能となる。コンブの表面と中ほどでは削った際の製品の色が異なり、表面は黒っぽく中心ほど白くなる。
製造工程の概略

加工の実際
- 原料 主に北海道産のマコンブが用いられる(写真1)。
- 漬け前(漬け込み) 原料となるコンブを醸造酢に漬ける、「漬け前」と呼ばれる漬け込み作業を行う。(写真2)。その時の気温やコンブの種類などによりコンブへの酢の浸透速度が異なる。漬けの具合が削りのしやすさや製品の優劣を決めるため、経験と技術が必要である。目安として夏は1~2分間、冬は3~8分間程度である。手で触った感触が硬すぎず少し柔らかくなった程度である。
漬けすぎると柔らかくなりすぎる。柔らかくなりすぎると、削った際におぼろ昆布が丸まってしまいダマのようになる。漬けが足りないとコンブが硬すぎるため、粉のように削れてしまう。
醸造酢の配合は、酢と水が1:2程度である。
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- 酢出し 漬け前が終わったコンブを10分程度立てかけ余分な酢を流す。(写真3)
- 寝かし コンブの上に布をかけ一晩静置し、コンブに酢をなじませる。(写真4)
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- 耳や亀裂の除去 包丁または手で削りの妨げになるコンブの耳(葉状部の端の凹凸のある部分)や亀裂が入った部位などを取り除く。
- 削り 包丁で厚さ0.01~0.02㎜程度に削り取る。(写真5, 6)
- 包装・出荷 出荷用の段ボール箱に入れる。1箱おおむね5kg程度である。入れるときはふんわりと入れることがおぼろ昆布の品質を保つうえで重要である。
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加工に用いる機器等
片刃の包丁、ハサミ台(包丁の柄)、アキタ(剃刀状の包丁研ぎ器)(写真7)
機器の使い方:包丁の刃をアキタを使用して鉤爪状に曲げる。その曲がりがコンブを削る際にコンブに引っ掛かり薄く削ることが可能になる。
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品質管理のポイント
コンブは暑さや光によって赤く変色してしまう。これは商品価値を落とすことにつながる。
そのため、夏はエアコンを使用し作業環境の室温を低く保つ。また、光を遮るため漬け込み後は布をかぶせたり、削る前のコンブや削ったコンブは段ボール箱にしまい、遮光する。
おぼろ昆布は乾燥すると食感等が著しく落ちてしまう。そのため、密閉包装し、開封後はなるべく早く消費することが望ましい。
製品の形態
生産者の段階では、5㎏のダンボール箱に入れることが多い。小売では30g~100g程度の小袋に詰められる。
包装および保管方法
小売り用包装は、一般的にピロー包装やチャック袋が用いられている。
乾燥するとおぼろ昆布特有のしっとりした食感が失われ、ぱりぱりした食感になる。そのため、開封後はなるべく早めに食する。
調理方法および食べ方
おむすびに巻いたり、うどんやそばに入れて食べる。また、吸い物にしたり刺身に巻いて食べる。
(著者:福井県食品加工研究所 北風 智裕)
(協力:敦賀昆布 株式会社)
