飫肥てんとは
宮崎県日南市飫肥に伝わる郷土料理のすり身加工品である(写真1)。魚のすり身に豆腐、砂糖(地元産黒砂糖)や甘口醤油、味噌などを加え、木の葉の形に成形して揚げる。甘く、フワフワした独特の食感が特長である。
写真①とイメージ-1024x683.jpg)
主な生産地
宮崎県日南市
生産と消費の動向
日南市飫肥にある株式会社 元祖おび天本舗の「おび天」(商標)の生産量が多いと思われるが、市内の小売店、総菜屋、鮮魚店、漁協等でも製造販売されており、それぞれ配合が異なる。生産量は不明である。「おび天」は、株式会社 元祖おび天本舗の登録商標となっている。
原料選択のポイント
シイラの割合が最も多く、その他にブリ、ニベ、アジ類、イワシ、エソ等前浜で水揚げされる様々な魚が使用される。
加工技術
地魚の落とし身を塩ずりし、豆腐、砂糖や醤油、味噌などの副原料を加え、木の葉の形に成形して揚げる。油で揚げたての独特な食感を保つため、原料魚の身質により、配合する豆腐の量を調整する(写真2)。
写真②-1024x768.jpg)
製造工程の概略

加工の実際
- 原料処理 原料魚は手捌きで歩留まり良く捌き、臭みが出ないよう血液や皮を除いて、落とし身にする。
- 擂潰 落とし身に塩を加えて塩ずりし、豆腐を加えて粘りが出るまで擂潰する。
- 調味 砂糖、醤油(味噌)を加えてすり上げる。
- 成形 手水をつけて、すり上がった肉糊を成形し、木の葉の形に整える。
- 油ちょう 連続式フライヤ―を用いて、160~180℃の油できつね色になるまで揚げる(写真3)。
写真③-1024x768.jpg)
加工に用いる機器等
擂潰機、連続式フライヤー(写真4)
写真④-1024x768.jpg)
品質管理のポイント
様々な魚を原料とするため、副原料の配合を調節して商品の品質を一定に保っている。
製品の形態
数個がパックされている製品(写真5)や、真空包装されている製品(写真6)が一般的であるが、日南市では小売店、惣菜屋等でそのまま個数売りしているところが多い。
写真⑤-1-1024x683.jpg)
写真⑥-666x1024.jpg)
(提供:㈱元祖おび天本舗)
包装および保管方法
冷蔵保管の賞味期限は、パック売りと個数売りでは6日間、真空包装では1ヵ月間である。
調理方法および食べ方
そのまま、もしくは加温して食べてもおいしく食べられるが、サラダやうどんにのせたり、マヨネーズと醤油と七味唐辛子を混ぜたものにつけて食べてもおいしい。
(著者:宮崎県水産試験場 橘木 啓人)
(取材協力者:株式会社 元祖おび天本舗)
