目次
第7章 水産漬け物 第6節 粕漬け

ふぐ卵巣粕漬け

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主原料

主生産地

保存方法

冷蔵保存

キーワード

魚卵/卵巣/酒粕/ふぐの子粕漬け/佐渡

備考

Fugu-ranso-kasuzuke/伝統的加工品

ふぐ卵巣粕漬けとは

 新潟県佐渡市沢根地区で生産される「ゴマフグ」の卵巣を塩漬けした後、酒粕にみりんを加えて漬け込んだものである。

主な生産地

 新潟県佐渡市、石川県

生産の動向・消費の動向

 現在は佐渡市の企業1社で製造されている。獲れたゴマフグの量や製造能力の範囲内で生産しており、生産量は2t程度で横ばいである。

原料選択のポイント

 原料となるゴマフグ写真1は、佐渡(主に真野・両津地区)で水揚げされる新鮮なゴマフグを用いる。卵巣は150~250g程度のある程度大きなものを使用する。

写真1 ゴマフグ(撮影:新潟県水産海洋研究所) 

使用する副原料

 塩、酒粕、みりん

加工技術

 ゴマフグの獲れる5~6月に卵巣の塩漬けを開始し、最低でも2年間塩蔵する。その後、最低1年間、酒粕に漬け込むことで、ふぐの子粕漬けとなる。

製造工程の概略

加工の実際

  • 原料の一次処理 水揚げされたゴマフグをその日のうちに処理し、卵巣(写真2)のみを取り出す。卵巣以外の部分は皮をむき、身は胸鰭を残した形で塩漬けし、10日程度天日干した後、1年間酒粕に漬け、粕漬として利用されている。ゴマフグがオスだった場合は白子と身に分け、白子も食用として出荷されている。

  • 塩漬け 卵巣の重さに対して30%以上の塩を用いて塩蔵する。取り出した卵巣を樽の中に放射状に並べ(写真3)、その上に塩を添加していき何層にも卵巣と塩を樽に積み重ねる(写真4)。塩蔵は最低でも2年間行う。(写真5)

  • 粕漬け 塩漬けの工程が終わった卵巣に酒粕とみりんを混合したものを加え、冷暗所で10℃前後の一定温度を保ち最低1年以上漬け込む。酒粕は佐渡の酒蔵のものを使用している。(写真6)

写真2 ゴマフグ卵巣
(撮影:新潟県水産海洋研究所) 
写真3  塩蔵の仕込みの様子
(卵巣を放射線状に並べていく) 
(撮影:新潟県水産海洋研究所)
写真4 塩蔵の仕込み後の様子
(卵巣と塩を何層にも重ねていく)
(撮影:新潟県水産海洋研究所)
写真5 塩蔵の保管中の様子
(最低2年間漬けする)
(撮影:新潟県水産海洋研究所)
写真6 酒粕に漬け込んでいる様子(最低1年以上酒粕に漬け込む)
(撮影:新潟県水産海洋研究所)

  • 検査 粕漬け後の製品を保健所に依頼してふぐ毒のテトロドトキシンの毒性検査(10MU以下)を実施する。

  • 包装・出荷 粕漬けにした卵巣から酒粕をよく落とし、ペーパータオルにくるむ。ペーパータオルでくるんだ卵巣を酒粕とともに袋に詰めて個包装する。個包装した袋は箱詰めして出荷する。酒粕を落とした状態で卵巣をペーパータオルにくるむことで、酒粕が卵巣に付着せず、食べやすくなる。

写真7 ふぐ卵巣粕漬け製品
(撮影:新潟県水産海洋研究所)
写真8 製品をスライスしたもの
(撮影:新潟県水産海洋研究所)
 

安全衛生管理のポイント

 塩蔵、粕漬けの工程での温度管理に注意する。粕漬けの工程では10℃前後に保つ。

包装及び保管方法

 製造したゴマフグ卵巣をペーパータオルで包み酒粕で覆ったものを個包装し袋に入れる。袋は商品名とふぐのイラストが描かれた化粧箱に入れて販売されている。冷蔵で6ヶ月保存できる。

調理方法および食べ方

 そのまま、薄くスライスして食べる。酒の肴に最適。さっと炙っても、アルミホイルで包んで軽く蒸し焼きにしてもよい。

 (著者:株式会社 須田嘉助商店 須田 桂太・新潟県水産海洋研究所 中尾 令子)