目次
第12章 藻類加工品 第4節 佃煮

あまのりの佃煮

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主生産地

保存方法

常温保存

キーワード

海苔/梅/うまかのり梅/佐賀市漁村女性の会/規格外品/有明海

備考

Amanori-tsukudani/伝統的加工品

あまのりの佃煮とは

 あまのりの佃煮とは、アマノリ類の海藻を醤油や砂糖などで炊き上げた佃煮である。全国的にノリの佃煮といえば、ヒトエグサを用いたものが主流であるが、佐賀県有明海沿岸域ではノリの産地ということもあり、スサビノリを主体とした乾のり製造過程で生じる規格外品の海苔を使った佃煮が一般的である。
 ここでは、佐賀県有明海で養殖されたスサビノリの佃煮のうち、秋芽網期と冷凍網期の一番摘みのノリだけを使い、完熟した紀州南高梅と組み合わせてノリの風味を引き立たせた製品である「うまかのり梅」を紹介する。この製品は、佐賀市漁村女性の会が商品開発を行い、現在は、大手百貨店やコープ、市内の直売所等で商品を販売している。本加工品は、乾海苔の品質で日本一を自負する生産者が、佐賀のりの美味しさを広めようと、本県伊万里産の完熟南高梅との組合せを実現したことがポイントである。

主な生産地

 佐賀県、兵庫県

原料選択のポイント

 佃煮の原料となる佐賀のりの養殖は、10月下旬に種付けを行い、秋芽網期と冷凍網期の二期作で生産が行われる。ノリ(スサビノリ)の葉体は15cm位に伸びた時点で摘採されるが、通常秋芽網期に3~4回、冷凍網期に6~8回の摘採が行われ、摘採回数を重ねるごとに葉体は硬さを増してくる。このため、佐賀のりの特徴である舌触りのやわらかさを出すために、秋芽網・冷凍網期の一番摘みのノリだけを使用するのが本製品の特徴となっている。

使用する副原料

 うまかのり梅は、品名にもあるとおり梅干しと合わせ、酸味のある旨味を出しているのが特徴で、この梅干しに本県伊万里市産の完熟南高梅を用いている。

加工技術

 一番摘みの乾海苔加工の際に生じる規格外品(破れ等のある形状不適品)を用い、これを一度浄水に戻して、醤油・みりん・砂糖を主体とした調味液により煮詰めて製造する。乾のりの舌の上でとろけるやわらかさを引き出しつつ、特製の調味液で味付けを行い、仕上げに南高梅を加えることで酸味のある旨さに整える。また、保存料や着色料を一切使用せず、類似商品とは差別化を図っている。

製造工程の概略

加工の実際

  • 原料 ノリは、有明海産の秋芽網·冷凍網期の一番摘みのスサビノリで、乾のり製造過程で規格外となったものを用いる。異物は除去する。

  • 攪拌 乾のりはRO水(逆浸透膜で水に含まれる不純物を取り除いた水)に入れて戻す。

  • 煮熟1 攪拌機付きの銅製の煮煉り機を用い、90℃の強火で乾海苔とRO水を15分間混ぜ合わせる。

  • 調味液投入 調味液を投入する。添加する調味液は佐賀市漁村女性の会独自の配合で、特注した丸大豆醤油・本みりん・砂糖・塩等を使用する。

  • 煮熟2 85℃で40分間攪拌しながら煮詰める。(写真1)

  • 梅との混合 梅のヘタを取り、種と梅肉を分ける。つぶした梅肉を煮詰めたのりと混合する。

  • 充填 充填機を用い、計量しながら佃煮を容器に充填する。

  • 金属探知機 鉄とステンレスの混入防止のため金属探知機にかける。

  • 加熱殺菌・冷却 容器に栓をし、ボイラーで90℃30分間の加熱殺菌を行う。その後、氷水で10℃以下まで冷却する。

加工に用いる機器等

 煮煉り機(一鍋で20kgまで佃煮が製造可能)(写真1)

製品の形態と保管方法

 瓶詰め(写真2)とし、常温で保管する。ただし、開栓後は冷蔵庫で保存する。

調理方法および食べ方

 御飯の副食、お茶漬け、酒の肴として好適である。また、納豆やピザ・パスタとの組合せも美味である。万能調味料として様々な調理に利用できる。

写真1 煮煉り機 
(提供:合同会社佐賀市漁村女性の会)
写真2 『うまかのり梅』製品
(提供:合同会社佐賀市漁村女性の会)

 (佐賀県有明水産振興センター 藤武 史行・森川 太郎)