目次
第11章 節類 第3節 その他節類

雑節

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主生産地

保存方法

冷凍保存/冷蔵保存

キーワード

イワシ類/サバ類/マルソウダ/荒節/天日干し/焙乾/出汁/延岡市/天草市

備考

Zatsubushi/伝統的加工品

雑節とは

 カツオ以外の小型魚種を節に加工した製品を総称して雑節という。宮崎県では主に、まき網漁業で漁獲されるイワシ類、アジ類、サバ類、マルソウダ(写真1)等様々な原料を使用し、カビ付けをしない荒節の製法に加工したものが多く生産されている。宮崎県延岡市島浦町ではイワシ類を全魚体使用した雑節の生産が多い(写真2)

写真1 原料となるマルソウダ
(提供:有限会社 畦原商店) 
写真2 イワシ類の雑節(提供:有限会社 畦原商店)

主な生産地

 宮崎県延岡市 熊本県天草市

原料選択のポイント

 原料の脂肪分が少ないものを選択する。また、加工開始当日の朝に水揚げされ、自己消化が進んでいない鮮度の良いものを使用する。

使用する副原料

 焙乾時に薪を使用する。広葉樹の薪がよいとされ、主に県内産のクヌギ、カシ、サクラが使用されている。

加工技術

 宮崎県延岡市島浦町では、機械乾燥でない「火入れ」という製法で加工することで生まれる、独特な燻香が特徴的である。また、まき網漁業で漁獲された様々な魚種を使用するため、焙乾途中の原料を触りながら確認し、1~3時間程度の適した範囲内で焙乾時間や回数を調節する。製造日の天気や湿度でも調整が必要となる。さらに同地域では、原料の水分量調整や香りを立たせるため数回の焙乾工程の間に天日干しを行う。

製造工程の概略

加工の実際

  • 原料 まき網漁業で漁獲されるイワシ類、アジ類、サバ類、マルソウダ(写真1)等様々な原料を使用する。原料は、製造開始日の朝に水揚げされた鮮度の良いものを使用する。

  • 魚体処理 加工場に搬入した原料は、専用の蒸籠(写真3)に並べる。このとき小型の魚種の場合は頭と内臓はそのままにする。サイズの大きい魚種(マルソウダ等)の場合は頭を落とし内臓を出す。

  • 煮熟 蒸籠ごと専用の煮熟釜に入れて煮熟する(写真4)。魚種によって時間を調整する。煮熟後は一晩放冷する。
写真3 蒸籠  (提供:有限会社 畦原商店)
 写真4 煮熟後煮熟釜から揚げている様子  
(提供:有限会社 畦原商店)

  • 焙乾 専用の焙乾施設(写真5)に蒸籠を並べ、広葉樹の薪(写真6)を焙乾施設下部の釜(写真7)で焚き焙乾する(写真8)。このとき、乾燥具合が均一になるように蒸籠の段組みを入れ替えながら焙乾する。焙乾時間や回数は魚種や製造日の気温及び湿度によって調整する。
写真5 焙乾施設(提供:有限会社 畦原商店)
写真6 広葉樹の薪(提供:有限会社 畦原商店) 
 写真7 焙乾施設下部
(提供:有限会社 畦原商店)
写真8 焙乾している様子(提供:有限会社 畦原商店)

  • 乾燥 焙乾後は天日干しをしてさらに乾燥させる(写真9)。天日干し後は製品を触り嗅ぐことで、乾燥具合や香りの付き方を確認しながら再度焙乾と乾燥を繰り返す。

写真9 天日干ししている雑節(提供:有限会社 畦原商店)

  • 梱包 段ボールで梱包し、製品は冷凍保管する。

加工に用いる機器等

 煮熟釜、蒸籠、焙乾施設

品質管理のポイント

 原料選択の際に、内臓を見て脂肪分が少ない魚を判断し選択する。焙乾と天日干しする際に、乾燥具合が均一になるように蒸籠の段組みを入れ替える。

製品の形態・包装及び保管方法

 段ボールで梱包して冷凍保管し、業務用として出荷される。出汁として利用する際は節を削り出して利用される。

調理方法および食べ方

 節の状態から削り出してうどんやそばの出汁として利用されている。
 多くは関西圏で消費されている。

(著者:宮崎県水産試験場 橘木 啓人)
(協力:有限会社 畦原商店)