にしんずしとは
水でもどした身欠きにしんを、塩漬けした大根やニンジンなどの野菜とともに麹漬けしたものである。主に冬季に作られ、正月のごちそうとなっている。身欠きにしんは北前船の発達によりもたらされ、中継地である福井県の敦賀市や若狭地方でにしんずしが作られるようになった。
主な生産地
福井県
原料選択のポイント
身欠きにしんはよく乾燥した本干しのもので、身の厚いきれいなものを選ぶ。大根は太めのものを用いる。大根のほかになすやきゅうりなど夏野菜を使用する場合もあり、年中作られるが、夏季はカビの発生や発酵の進み過ぎに注意が必要である。
加工技術
大根に含まれる糖類や麹、発酵生成物等によって貯蔵性が良くなり、風味が付与される。乗せた重石により水分が圧出し、その水分により嫌気状態が保たれることで貯蔵性が増す。
製造工程の概略

加工の実際
- 原料 身欠きにしん、大根を準備する。
- 調理 大根はきれいに洗い、約3日間干してしんなりさせた後、いちょう切りにし大根の重量の3%の塩を加えて2~3日下漬けする(写真1)。重石は大根の2倍程度の重さのものを使用する。
- 身欠きニシンは身のきれいな厚いものを選び、頭を除く。米の研ぎ汁に1晩漬けて柔らかくし、きれいに洗った後食べやすい大きさにカットする(写真2)。

(提供:ふるさと夢市場)

(提供:ふるさと夢市場)
- 調味料の配合 みりん、酒、醤油を配合する。
- 漬けこみ 大根とニシンを交互に敷き詰めていく。大根とニシンをひと並べしたら、麹、輪切りにした鷹の爪を振り、これを繰り返す(写真3)。最後に配合した調味料を上から回しながら全体的にかける(写真4)。
- 保管 材料と同量~2倍程度の重石をして、冷暗所で2週間ほど漬けた後で食す(写真5,6)。




加工に用いる機器等
包丁、樽、重石
品質管理のポイント
適切な発酵温度は10~15℃程度であり、製造時の気温が高いと発酵が進みすぎて酸っぱくなることがある。そのため、冬でも暖房による室温の上昇などには注意が必要である。
製品の形態
市販品はトレーまたは真空パックされて流通しているものもあるが、通常は家庭で作られ、消費される。
包装および保管方法
冷暗所にて保管する。
調理方法および食べ方
そのまま食べても良いが、火で少々あぶるとニシンの身が柔らかくなり風味が一層増す。

(著者:福井県食品加工研究所 北風 智裕)
(協力:敦賀市農産物直売所 ふるさと夢市場)
