ほたるいか醤油漬けとは
ほたるいか醤油漬けは、生ホタルイカを醤油に漬け込んだものであり、昭和60年頃に富山県食品研究所(現富山県農林水産総合技術センター食品研究所)が県内業者と共同で開発したものである。塩辛と異なり、発酵させていないため生の食感が残っており、最近ではホタルイカの加工品として代表的なものの1つになっている。
同様の製法で、調味液に糀、酒粕、いか墨などを入れ、風味を変えた製品や発酵を行い塩辛風にしたものも製造されている。
主な生産地
富山県、兵庫県、福井県、鳥取県
原料選択のポイント
原料のホタルイカは富山湾内で漁獲されたものを使用するが、山陰地方や、福井県産のものを使用することもある。
また、ホタルイカは鮮度低下が速いため、漁獲されてから加工するまで低温かつ短時間で処理する。
加工技術
ほたるいか醤油漬けは、ホタルイカを醤油、砂糖などの調味液に漬けた後発酵させずにすぐに冷凍することで、自己消化酵素の働きや微生物の増殖を抑制している。糖類は、調味の目的だけでなく、タンパク質の冷凍中の変性を抑制する目的でも使われている。
製造工程の概略

加工の実際
- 原料 富山県で水揚げされた新鮮なホタルイカを用いる。最初に冷凍してから調味漬けする場合もある。
- 調味漬け 醤油、砂糖、みりんなどで調味する。調味は一度だけの場合もある。漬ける回数や時間によって味や食感が異なる。
- 冷凍 調味液ごと-35℃で急速凍結する。冷凍工程は必須である。加工直前に解凍する。
- 液切り 解凍後、調味液を分離する。このとき眼球も除去するが、眼球を取る工程は前後する場合もある。
- 調味漬け 一度目と同じ組成の調味液で二度漬けする。
- 包装・出荷 一般的にはびん詰めまたは袋詰めとし、冷凍または冷蔵で出荷する。
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((有)カネツル砂子商店提供)
写真②とイメージ-1024x816.jpg)
(撮影:富山県農林水産総合技術センター食品研究所)
加工に用いる機器等
冷凍機
品質管理のポイント
脂質の酸化や異物混入が問題となる。
脂質の酸化防止には包装後-30℃以下の凍結貯蔵が有効とされる。異物混入防止に十分な原料の選別および金属検知作業が必要である。
ホタルイカは鮮度低下が速いため、漁獲されてから加工するまで低温かつ短時間で処理する。
安全衛生管理のポイント
旋尾線虫などの寄生虫感染予防のため、-30℃で4日間以上、もしくはそれと同等の殺虫能力を有する条件で凍結する。(同等の殺虫能力例:-35℃(中心温度)で15時間以上、または-40℃で40分以上)
特徴的な成分
ホタルイカは内臓ごと食するため、レチノールおよびビタミンE含量が多い。
(水産物に含まれる各種成分の効能については、「この図鑑の使い方」末尾の【参考情報】をご参照ください)
製品の形態・包装・保管方法
一般的にはびん詰め、袋詰め、パック詰めとし、冷凍または冷蔵で流通する。
調理方法および食べ方
酒の肴として、またご飯とともにそのまま食する。
(著者:富山県農林水産総合技術センター食品研究所 鍋島 裕佳子)
