ボッタルガ(マグロのからすみ)とは
ボッタルガとは、成熟したマグロの卵巣を塩漬けにし、乾燥させたからすみ様の魚卵塩干品である。
平成7年、15年、17~28年の間、鳥取県境港は、生の天然クロマグロの水揚げが日本一であり、現在も日本有数の漁獲量を誇っている(写真1,2)。境港では、水揚げ後に内臓を除去する。その際、内臓の有効活用のため、鳥取県産業技術センターで成熟したマグロの卵巣を塩漬けし、乾燥する方法を確立し、企業へ技術移転したことから製造が始まった。本製品の名称は、イタリア・スペインで製造されている類似の製品「ボッタルガ・ディ・トンノ」に由来する。
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(提供:鳥取県)
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(提供:鳥取県)
主な生産地
鳥取県
原料選択のポイント
成熟した卵巣を用いる。大きい魚体から得られた卵巣を使った方が、最終製品の仕上がりが良い。抱水卵(産卵直前の水分の多い卵巣)や産卵後の卵巣、傷のある卵巣では品質の良い製品ができないため、原料卵巣の見極めが重要である。
使用する副原料
塩
加工技術
血抜きした卵巣を7~10日間塩漬けし、一定濃度の食塩水を用いて脱塩後、日中の低温乾燥と夜間の冷蔵を2-4週間繰り返して乾燥させる。卵巣の血抜きを丁寧に行うことが良品製造のポイントとなる。
製造工程の概略

加工の実際
- 原料 サイズが大きい方が品質の良いものができるが、乾燥に時間がかかるため、腐敗しないように低温管理が必要である。傷や破れがあると製造中に卵巣内容物が空気に触れて酸化が進み、品質が劣化する。
- 塩漬け 原料卵に対して、同量~2/3量の塩を擦りこむ。重石をして冷蔵庫内で1週間程度塩漬けする。
- 塩抜き 流水で、塩分濃度5~7%となるように塩抜きする。
- 乾燥 日中は網に並べ20℃程度で冷風乾燥を行う(写真3)。夜間は重石をして冷蔵庫保管する。乾燥初期は重石を軽くし、徐々に重石を増やす。この操作を2~4週間繰り返す。指で押して、へこまなくなるまで硬くなったら終了とする。(写真4)
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(提供:鳥取県産業技術センター)
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(提供:㈱島谷水産)
加工に用いる機器
低温乾燥機 漬け込用の樽または水槽、重石
品質管理のポイント
卵巣内に多くの血液が残っており、手作業で一つ一つ丁寧にヘラなどを用いて血抜きを行う。血液の残存量が多いと、製品の色調が黒く、血生臭さが強く、酸化も起こりやすいなど、品質の劣る製品となってしまうため、血抜きを十分に行うことが重要である。
製品の形態
数十g単位で販売されている。
包装および保管方法
真空包装されており、冷蔵保管する。冷凍保管も可能である。
調理方法および食べ方
そのまま2㎜ほどの薄切りにして食べる。日本酒を表面に軽く塗布し、焦げないように炙ると風味が増す。パスタに和えたり、細かく砕いて海苔、ワサビとともに出汁でお茶漬けにしたりしてもよい。
同類製品例
ボラのからすみ
海外製品
イタリアまたはスペインで製造されており、ボラのからすみ(ボッタルガ・ディ・ムッジネ)と区別して、トンノ・ボッタルガまたは、ボッタルガ・ディ・トンノと呼ばれる。
(著者:鳥取県産業技術センター 加藤 愛)
