ちりめんとは
ちりめん(写真1)は、宮崎県では主にカタクチイワシ稚魚(写真2)を原料とし、塩水で煮熟し乾燥させた乾製品である。乾燥の度合いによって呼び方は変わり、水分が低い順に、上干ちりめん、やわ干しちりめん、釜揚げちりめんと呼び、宮崎県内ではそれらを総称してちりめんという。
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(㈱日髙水産提供)
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(提供:㈱日髙水産)
主な生産地
原料となるカタクチイワシ稚魚は、河川水が流入する河口付近の浅瀬で漁獲されるため、大きな河川が複数流入する宮崎県日向灘は良好な漁場となっており、 県内の主な生産地は延岡市、門川町、日向市、宮崎市、串間市である。本県以外でも多くの県で生産されており、各地で原料の最漁期は異なる。
原料選択のポイント
鮮茹であがりがムラなく白くなる25㎜以下のカタクチイワシの稚魚で、魚種に混じりがないものが好ましい。仕上がりに鮮度が大きく影響するため、漁獲後、船上において氷締めを行い、加工場に運搬する。魚体を傷つけないよう、魚倉から陸上のタンクへの搬入にフィッシュポンプを使用する加工業者もいる。
加工技術
ちりめんの品質は、色が白く、弾力があり、尾ビレや頭の欠けていないものが高価格品として取り引きされている。このため、原料の鮮度が重要であり、漁獲から加工までをいかに迅速に行うかが製造のポイントとなる。煮熟は煮熟水の温度と塩濃度が一定になるよう調整する(写真3)。乾燥時間は、季節やその日の天気湿度によって変わるため、乾燥機の風量等の調整が必要となる。なお,製造方法は加工業者によって異なり、完全機械化での加工や、仕上げの乾燥を天日干しで行う方法がある。
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製造工程の概略

加工の実際
- 水揚げ 漁獲した原料魚は船上で氷締めを行い、魚体を傷つけないようフィッシュポンプ(写真4)などでタンクに移して加工場に搬入する(写真5)。
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(提供:㈱日髙水産)
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(提供:㈱日髙水産)
- 洗浄 真水で洗い、体表の汚れや砂等の異物を、比重の違いにより分離して落とす(写真6,7)。
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(提供:㈱日髙水産)
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(提供:㈱日髙水産)
- 煮熟 97℃~98℃、2.1%~2.3%の塩水で3分間煮熟する。煮熟槽の中で魚が回転し撹拌されることで均等に加熱される(写真8)。
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- 乾燥 煮熟後の原料はベルトコンベアに均等に敷き(写真9)、吸引式の脱水機の上を通過させることで、余分な水気を取り除く。その後、約40℃の温風を上下から当ててベルトコンベアを移動させながら乾燥する。ベルトコンベアのスピードや送風の温度を調整し乾燥の程度を調整する(写真10)。
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(提供:㈱日髙水産)
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- 選別 乾燥が終わったら手作業で異物や他の魚などの異物を取り除く(写真11)。
- 包装 用途によって、箱詰めや真空パック包装する(写真12)。やわ干しちりめん、釜揚げちりめんは水分が多く賞味期限が短いため一般的に冷凍保存、上干ちりめんは水分が少ないため冷蔵保存する。
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(提供:㈱日髙水産)
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(提供:㈱日髙水産)
加工に用いる機器等
洗浄機、直熱式煮熟釜、乾燥機、真空包装機、金属検出器(写真13,14)
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(提供:㈱日髙水産)
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(提供:㈱日髙水産)
品質管理のポイント
生のシラスは傷みが早いので、船上で氷締めを行い鮮度を保った上で加工場へ迅速に運び、ただちに茹でることが品質を保つ上で重要となる。
製品の形態及び保管方法
上干はプラスチックのフィルムで包装されている。やわ干しや釜揚げはプラスチックトレーで包装されていることが多い。業務用は段ボール箱に紙を敷き、箱詰めして出荷されている。冷蔵で保管し、開封後は乾燥を防ぐため密閉した方が良い(写真15)。
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調理方法および食べ方
上干ちりめん、やわ干しちりめん、釜揚げちりめんの3種類があるが、上干ちりめんはおろし大根、酢の物等に利用できるほか、油で素揚げすると香ばしくカリカリした食感になり、ふりかけやおにぎりに混ぜ込んでもおいしく食べられる。やわ干しちりめんと釜揚げちりめんは、白飯の上にのせて食べるのが主流である。その他にも卵焼きに混ぜたりお吸い物に入れるなどによりおいしく食べられる。
(著者:宮崎県水産試験場 橘木 啓人)
(協力:株式会社 日髙水産)
