酢づけかまぼことは
「しめさば」と「すり身」を合わせたかまぼこ風の惣菜である(写真1)。すり身を加熱することなく、酢じめしてゲル化させている点が、一般的なかまぼこと異なっており、現在では数社が製造している。
本稿では、1960年代からこの製品を製造し、各種の水産加工品品評会で賞を受賞している熊本県の企業の製品を例に説明する。
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主な生産地
熊本県熊本市
生産と消費の動向
ほぼ毎月1,000本のペースで生産されるが、年末には月2万本となるため、年間3万本の生産量である。主に県内で消費され、関東・関西への出荷もある。
原料選択のポイント
サバは、しめさばに適した国内産の脂が少ないマサバ、ゴマサバを使用する。冷凍すり身は、ハモ、ミナミダラ、スケトウダラのSAクラスを使用する。
使用する副原料
食酢は醸造酢を用い、調味料として熊本の地酒である赤酒を用いる。また、保存料は使用しない。
加工技術
酢じめによりサバの身が締まると同時に塩すり身をゲル化させる。また、酢じめによって製品のpHが低下し、保存性が高まる。
製造工程の概略

加工の実際
- 三枚おろし 腹骨が残らないように注意し、中骨は毛抜きで完全に除去する。
- 凍結処理 寄生虫(アニサキス)を死滅させるために、三枚おろししたフィレーを-30℃以下で凍結処理する。
- 塩漬け 20%の塩水に1~2時間程度漬けこむ。
- 水洗い・酢洗い 塩漬けしたフィレーを水洗いした後、食酢で洗う。
- 擂潰・調味 冷凍すり身に塩を加えて擂潰した後、調味料等(赤酒、魚介エキスなど)を加えてすりあげる。
- 成形・密着 塩すり身を成形した後、サバのフィレーと密着させる。
- 調味液漬け込み 調味液にサバと密着させた塩すり身を漬け込む。調味液は長年使用しているものに食酢を注ぎ足して用いている。
- 薄皮剥ぎ サバの薄皮を剥ぐ。
加工に用いる機器等
擂潰機、真空包装機
品質管理のポイント
非加熱製品なので製造は室温10℃以下の加工場で行い、製品は出荷まで5℃以下で保管する。
製品の形態
1本(180g)を真空包装したばら売りが主である(写真2)。贈答用の場合は、3本または5本の製品を化粧箱に詰める。
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包装および保管方法
真空包装をした状態で、賞味期間は冷蔵で20日間である。
調理方法および食べ方
そのままでもよいが、好みでわさび醤油やしょうが醤油で食べるとおいしい。また、軽くあぶって、マヨネーズを付けてもよい。
(著者:熊本県水産振興課 竹内 美彌子)
