日奈久ちくわとは
不知火海で獲れた魚介類の主要な水揚げ港であった日奈久港でエビを目的とした打瀕網漁業の混獲物として水揚げされる魚(ハモ、エソ、グチ等)の有効利用のため、明治のはじめにそれらのすり身を竹に巻いて焼いて売ったのが日奈久ちくわの始まりである。八代市の日奈久温泉街の名産品となっている。
主な生産地
熊本県八代市
生産と消費の動向
日奈久地区の生産者は減少しており、現在は5軒となっているが、八代市内の他の地区で日奈久ちくわを製造する企業もある。もともとは日奈久温泉街だけで販売されていたが、現在では県内のスーパーマーケットやドラッグストアでも購入可能である。
原料選択のポイント
もともとは、日奈久港に水揚げされた魚を原料としていたが、現在では地元の原料魚を使用している生産者はほとんど見られず、冷凍すり身(イトヨリダイ、スケソウダラ)が主原料となっている。
加工技術
魚肉に塩を加えよくすり潰すと、魚肉中の塩溶性タンパク質が溶解し、肉糊となる。肉糊を加熱することで、弾力のあるねり製品になる。ちくわは、かまぼこと違いみりんや砂糖を加えることで、焼いたときに表面がちくわ特有の茶色に色づく。
製造工程の概略

加工の実際
- 原料 現在は、主に冷凍すり身を使用している。
- 塩ずり・調味 塩と調味料(みりん、砂糖など)を加えてフードカッター用いて低温ですり上げる(写真1)。
- 成形 竹や金属の串にすり身が均一な厚さになるように、手作業または機械で巻きつける(写真2)。
- 焼き 伝統的には串に巻きつけたすり身を炭火でじっくり回転させながら焼いていたが、現在では焼き機で焼き上げている(写真3)。
- 冷却と串抜き 焼き上がったちくわを冷却し、串を抜く(写真4)。
- 包装 伝統的には紙の包装紙を使用していたが、現在では合成樹脂フィルムで包装することが多い(写真5)。
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(提供:(株)日奈久竹輪今田屋)
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加工に用いる機器等
フードカッター、石臼、ミキサー 焼き台、冷却機、簡易包装機
品質管理のポイント
製品の弾力低下を防ぐために、塩ずり中のすり身の温度上昇に注意する。焼きでは、均一な焼き色になるように焼き上げる。
製品の形態
小売りの単位としては1本から10本程度までがあり、それぞれ包装して販売されている。
包装および保管方法
以前は紙で包装されていたが、現在は、合成樹脂フィルムで包装され(写真6)、冷蔵で保存されている。賞味期限は7日間程度である。また、真空包装され賞味期限が45日間の商品もある(写真7)。
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(提供:(株)日奈久竹輪今田屋)
調理方法および食べ方
適当な大きさに切ってそのまま食べる。熊本県内では、ちくわにポテトサラダを詰め、衣を付けて揚げた「ちくわサラダ」(写真8)がローカルグルメとして知られている。
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(著者:熊本県水産研究センター 岡田 丘)
