焼鮎とは
産卵期のアユを、内臓や卵を取り除いた後、炭火で焼き、乾燥させたものである(写真1)。昔は、大量に獲れる産卵期のアユを漁師が囲炉裏のそばで焼いた後、天井等に吊して保存食としていた。古くから「だし」として使われ、熊本県の八代地方では雑煮などに使われていた。上品な味は素麺とよく合い「鮎素麺」として食べられている。現在の焼鮎作りは、八代地方の秋の風物詩として認知されている。
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主な生産地
熊本県八代市
生産の動向・消費の動向
天然のアユからのみ作られている。漁獲状況にもよるが、年間約5,000尾が生産されている。一般家庭でだしを取ることが少なくなったため、焼鮎の需要は減少しているが、焼鮎のだしで炊き上げた鮎の甘露煮がメインの弁当(鮎屋三代)が好評である。
原料選択のポイント
時期は、9月下旬から10月上旬にかけて年によって変動したりするものの、球磨川の子持ちアユを使用する。この時期より前では魚体に脂が多すぎて充分に乾燥できないためである。
加工技術
炭火の燻煙による燻製後、乾燥窯で乾燥させることにより保存性が高められた食品である。
製造工程の概略

加工の実際
- 原料 球磨川や川辺川で獲れた天然アユを使用する。
- 内臓等除去 鱗や内臓等を除去して水洗する。
- 串打ち アユに串を打つ。
- 焼き 砂利を敷いた焼台に串を立て、炭火を使い、遠火で1.5~2時間で焼き上げる。
- 乾燥 専用の窯で練炭を使用し、3日間かけてしっかりと乾燥させる(写真2)。
- 包装 贈答用は箱詰めで販売する。
- 製品 基本的にはバラ売りで店頭販売する。(写真1)

加工に用いる機器等
コンクリート製の乾燥窯(写真3,4)
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品質管理のポイント
湿気の少ないところで保存するのが基本であるが、すぐに使用しない場合は冷凍での保存を推奨している。
製品の形態
1尾ずつ店頭でのバラ売りが基本である。
包装および保管方法
贈答用は化粧箱に詰められている。(写真5)
常温保存で、賞味期限は約180日間である。
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調理方法および食べ方
焼き鮎1尾に対し水1ℓを加え、沸騰後すぐに焼き鮎を引き上げる。取っただし汁は雑煮、煮しめ、湯豆腐、茶碗蒸し、吸い物、みそ汁、うどん、そば等に使用できる。
また、引き上げた焼き鮎は料理の具として使用するか、砂糖、醤油等で煮つめ、甘露煮としても食べられる。
(著者:熊本県水産研究センター 岡田 丘)
