ごり佃煮とは
ごり佃煮とは、天保年間に金沢市にある白山屋の初代白山孫兵衛が犀川で獲れるカジカを飴煮にしたのが始まりとされている。現代では、ゴリ(ハゼ科のヨシノボリ類とウキゴリ類の川魚の地方名)を醤油、酒、みりん等を含む加熱した調味液に入れ、さらに水飴を入れ煮詰めた佃煮である。石川県ではくるみ佃煮などとセットで中元の進物用として利用されるほか、一般家庭でも惣菜として親しまれている。
主な生産地
石川県、滋賀県
生産と消費の動向
石川県佃煮調理食品加工組合に加盟しているのは7社(2025年現在)であり、内3社でごり佃煮を製造している。令和7年現在の生産量は数kg生産している。古くは犀川や浅野川で漁獲されたもので製造されており、その後河北潟や今江潟(1967年干拓により消滅)産のものが使われたが、主産地であった河北潟の干拓(1961~1986年、2/3が干陸)後、原料調達が難しくなり河北潟近隣の加工業者が急激に減少した。石川県金沢市では古くから佃煮文化があったが、食生活の変化によって消費量が減少している。
原料選択のポイント
原魚は主としてゴリ(ヨシノボリ類とウキゴリ類)などを用い、体長は3cm位である。鮮度の良いものを用いる。
加工技術
製法は煎り付け煮法と浮かし煮法の両方が用いられる。素材の鮮度が悪いと加熱した時に肉が崩れてしまうので、原料は鮮度の良いものを生で投入する。調味は醤油、砂糖を主体に、水飴、みりん、米酢、寒天で行う。
これらの調味料は原料と混合し加熱することで水分活性が低下し保存性が増す。飴煮の原料である水飴は粘度が高いことから形を維持し光沢を増すとともに、砂糖より甘味は少なくさわやかである。酢は純米醸造酢を用いる。酢は味を調える役割がある。
製造工程の概略

加工の実際
製法は基本的に昔から変わらない。最初に薄口の調味液で煮てから、次に濃い調味液で煮熟する。製造上、最も重要なのは火力であるが、これは火力によって調味液の濃度が変化するからである。出来上がりはこの残った調味液の状態で判断する。
- 原料 体長約3cm程度の、鮮度の良いゴリを使用する。
- 水洗い 体表のぬめりを取る。
- 煮熟 砂糖、水飴、みりん、米酢、寒天を添加して煮熟する。
- 冷却 室温まで放冷する。
- 容器詰 プラスチック容器に詰める。
- 出荷 梱包して出荷する。
加工に用いる機器等
煮熟鍋
品質管理のポイント
煮熟工程で、調味液を魚体に浸透させ、水分活性を低下させることが重要である。
特徴的な成分
ごり佃煮の一般成分を表1に、また主要な遊離アミノ酸及び有機酸を表2に示す。
(水産物に含まれる各種成分の効能については、「この図鑑の使い方」末尾の【参考情報】をご参照ください)


製品の形態
約80gずつ、プラスチック容器に詰めて流通している(写真1)。
包装および保管方法
賞味期限は約2か月間で、冷蔵流通している。
調理方法および食べ方
酒の肴やご飯のお供としてや、子どものおやつとしても食べられる(写真2)。
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写真②とイメージ-1024x936.jpg)
(著者:石川県水産総合センター 高本 修作、西田 光希)
