しんじょとは
しんじょは白身魚の塩すり身に、卵白またはヤマイモなどを混ぜて、蒸すかあるいは茄でて作られるねり製品である。
しんじょという名称は古くからあったようで、はんぺんと同様に、古今調味集(1580年:安土桃山時代)などの古文書に見られる。漢字では、槮薯や真薯などと表される。槮という漢字は米の粉を指し、薯はヤマイモを指すことから、魚肉、米粉とヤマイモを混ぜたものを蒸したり、茄でたりしたものがしんじょと呼ばれたようである。
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主な生産地
浮きはんぺんとは逆に、関東ではほとんど見られず京阪地区で主に製造・消費されている。京都で生産されるものは、京しんじょと呼ばれる。また、大阪の名産品である、あんぺいもしんじょの仲間である。
生産と消費の動向
地域限定商品のため生産量の統計はないが、京阪神では暑い夏に涼を呼ぶ商品として親しまれている。とくに、京都の祇園祭には欠かせない商品である。
最近では、京阪神のメーカーによって、関東でも販売されるようになった。
原料選択のポイント
もともとはハモを原料としていたが、現在では、生鮮グチやスケトウダラ冷凍すり身を主に用いており、ヤマイモも現在では使われない場合が多いようである。しんじょは、きめが細かくなめらかなのど越しを特徴とするので、鮮度のよいグチや高品質のスケトウダラ冷凍すり身が使われる。
加工技術
一般的なねり製品では、魚肉を塩ずりして加熱することにより、プリプリした独特の食感が形成されるが、しんじょのソフトでなめらかな食感は、卵白またはヤマイモの添加と水分量の調節により生み出される。
製造工程の概略
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加工の実際
製造工程の概略に示したように、卵白またはヤマイモを添加するまでは、一般的なかまぼこの製造法と同様である。
- 擂潰 擂潰機で空ずりした後、塩ずりし、塩すり身に卵白またはヤマイモを加えて混合する。
- 成形 卵白またはヤマイモを添加したすり身は非常にやわらかいので木型や木枠に入れて成形する。
- 加熱 木型や木枠に入れたまま、蒸煮(90℃、30~40分間)あるいは湯煮(80~85℃、30分間程度)により加熱する。
- 冷却 製品中心温度が10℃以下になるまで冷却する。
- 包装 ピロー包装して出荷される。
加工に用いる機器等
一般的なねり製品製造に用いる採肉機、ミートチョッパー、擂潰機などのほか、成形のために木型・木枠を使用する。
品質管理のポイント
水分量が多いので、10℃以下の保存温度で賞味期限は製造日から1週間程度である。
製品の形態・包装等
卵白またはヤマイモを添加したすり身を木型あるいは木枠に入れて成形・加熱するので、そのまま三方ピロー包装して販売される。
調理方法および食べ方
冷蔵庫でよく冷やして、わさび醤油やしょうが醤油で食べると非常に美味である。
(著者:元全国蒲鉾水産加工業協同組合連合会蒲鉾研究所 石内 幸典)
