目次
第4章 ねり製品 第5節 揚げかまぼこ

飫肥てん

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主原料

主生産地

保存方法

冷蔵保存

キーワード

揚げかまぼこ/日南市/豆腐/地魚/落とし身

備考

Obi-ten/伝統的加工品

()()てんとは

 宮崎県日南市飫肥に伝わる郷土料理のすり身加工品である(写真1)。魚のすり身に豆腐、砂糖(地元産黒砂糖)や甘口醤油、味噌などを加え、木の葉の形に成形して揚げる。甘く、フワフワした独特の食感が特長である。

写真1 飫肥てん (提供:㈱元祖おび天本舗)

主な生産地

 宮崎県日南市

生産と消費の動向

 日南市飫肥にある株式会社 元祖おび天本舗の「おび天」(商標)の生産量が多いと思われるが、市内の小売店、総菜屋、鮮魚店、漁協等でも製造販売されており、それぞれ配合が異なる。生産量は不明である。「おび天」は、株式会社 元祖おび天本舗の登録商標となっている。

原料選択のポイント

 シイラの割合が最も多く、その他にブリ、ニベ、アジ類、イワシ、エソ等前浜で水揚げされる様々な魚が使用される。

加工技術

 地魚の落とし身を塩ずりし、豆腐、砂糖や醤油、味噌などの副原料を加え、木の葉の形に成形して揚げる。油で揚げたての独特な食感を保つため、原料魚の身質により、配合する豆腐の量を調整する(写真2)

写真2 飫肥てんに配合する豆腐 (提供:㈱元祖おび天本舗)

製造工程の概略

加工の実際

  • 原料処理 原料魚は手捌きで歩留まり良く捌き、臭みが出ないよう血液や皮を除いて、落とし身にする。

  • 擂潰(らいかい) 落とし身に塩を加えて塩ずりし、豆腐を加えて粘りが出るまで擂潰する。

  • 調味 砂糖、醤油(味噌)を加えてすり上げる。

  • 成形 手水をつけて、すり上がった肉糊を成形し、木の葉の形に整える。

  • 油ちょう 連続式フライヤ―を用いて、160~180℃の油できつね色になるまで揚げる写真3

写真3 油ちょう (提供:㈱元祖おび天本舗) 

加工に用いる機器等

 擂潰機、連続式フライヤー写真4

写真4 連続式フライヤー (提供:㈱元祖おび天本舗)

品質管理のポイント

 様々な魚を原料とするため、副原料の配合を調節して商品の品質を一定に保っている。

製品の形態

 数個がパックされている製品写真5や、真空包装されている製品写真6が一般的であるが、日南市では小売店、惣菜屋等でそのまま個数売りしているところが多い。

写真5 パック製品 (提供:㈱元祖おび天本舗) 
写真6 真空包装製品 
(提供:㈱元祖おび天本舗)

包装および保管方法 

 冷蔵保管の賞味期限は、パック売りと個数売りでは6日間、真空包装では1ヵ月間である。

調理方法および食べ方

 そのまま、もしくは加温して食べてもおいしく食べられるが、サラダやうどんにのせたり、マヨネーズと醤油と七味唐辛子を混ぜたものにつけて食べてもおいしい。 

(著者:宮崎県水産試験場 橘木 啓人)
(取材協力者:株式会社 元祖おび天本舗)