茹でほたるいかとは
茹でほたるいかは、ホタルイカを釜揚げしたものである。1918年頃から作られ、1953年頃、鉄道輸送が安定したことから富山県東部(滑川など)を中心に関東・関西に出荷されるようになった。これを機にホタルイカの出荷が飛躍的に伸び、全国的にホタルイカの名が知られるようになった。茹でほたるいかを「ホタルイカの桜煮」と呼ぶが、これは製品が鮮やかな桜色をしているからという説と、ホタルイカの漁獲時期が桜の季節と重なるからという説がある。
主な生産地
富山県、兵庫県、福井県、鳥取県 等
生産の動向・消費の動向
ホタルイカの漁獲量を図1に示す。ホタルイカの漁獲量は年次変動が大きく、2010年以降は約400~4,000トンで推移している。以前は富山湾で春期に漁獲されるホタルイカのほとんどが茹でほたるいかに加工されていたが、近年では茹でほたるいか以外の加工品の占める割合が大きくなっている。

原料選択のポイント
原料のホタルイカ(写真1,2)は富山湾内で漁獲されたものを使用するが、兵庫県産、福井県産を使用することもある。
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(提供:㈱トミイチフーズ)
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(提供:富山県食品研究所)
使用する副原料
煮熟は、塩を使用した塩水で行う。
加工技術
3%塩水を使用して煮熟する工程において調味(塩味の付加)を行うとともに、殺菌および酵素の失活を行う。
製造工程の概略

加工の実際
- 原料 主に富山湾(富山県沿岸)で水揚げされたホタルイカを原料とする。 (写真1,2)
- 洗浄 体表のぬめり、汚れや付着物を真水で洗い流す。 (写真3)
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- 煮熟 煮熟の際は原料のホタルイカが熱水により均一に加熱される十分に大きな釜(十分量の熱水)を用い、急激な温度低下を防ぐため約2~3kgずつ小分けして行う。また、塩を用いた塩水は何度も繰り返しては使用しない。乾燥防止や光沢を出す目的で、デンプン分解物を煮熟液に添加する場合もある。(写真4)
- 冷却(洗浄) 真水で冷却するとともに、煮熟工程において付着した異物等を洗浄する。(写真5)
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(提供:㈱トミイチフーズ)
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(提供:㈱トミイチフーズ)
- 水切り ザルに移して水を切る。(写真6)
- 冷蔵 冷蔵庫内において約1~2時間放冷する。
- 計量・包装 トレー等の容器に詰めて計量後、包装する(写真7)。
- 検査 金属探知機で検査する。
- 製品 冷蔵で流通する。
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加工に用いる機器等
煮釜、計量器、包装機、金属探知機 等
品質管理のポイント
異物混入防止のために十分な選別および金属検知作業が必要である。
特徴的な成分
茹でほたるいかの栄養成分を表1に示す。茹でほたるいかは内臓ごと食するため、ビタミンA(レチノール当量)およびビタミンEが多い。
(水産物に含まれる各種成分の効能については、「この図鑑の使い方」末尾の【参考情報】をご参照ください)

製品の形態・包装及び保管方法
一般的には、トレーに並べてラップ包装し冷蔵する。
調理方法および食べ方
茹でほたるいかは、目玉を取り除き、ワケギやワカメと酢味噌、または、カラシ、酢、醤油であえて食べる。天ぷら、串焼き、オーブン焼きにしてもおいしい(写真8)。
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参考文献
・富山県農林水産総合技術センター水産研究所,富山県水産情報システム,漁獲情報
2025:https://www.fish.pref.toyama.jp/TSWKCGI_KN.aspx (2025年9月1日参照)
(著者:富山県農林水産総合技術センター食品研究所 原田 恭行・鍋島 裕佳子)
