長いもかまぼことは
長いもかまぼことは、長いもに魚肉すり身を巻いて整形、加熱したものである(写真1)。水産物と農産物の混合による製品で、長いものシャキシャキした食感とかまぼこのぷりぷりとした食感が味わえる。魚肉すり身にカニの身を練りこんだものもある。
(本文末尾のコラム「長いもかまぼこにまつわる話題」もご参照ください。)
写真①とイメージ-1024x681.jpg)
主な生産地
鳥取県、島根県
生産と消費の動向
長いもかまぼこは鳥取県中部で生産されている砂丘長いもを使って、鳥取県東部、中部、島根県東部で製造されている。長いもがシーズンオフとなる6月から9月は製造できない。
賞味期限が比較的長いため、普段での消費のほか、贈答品や土産物などとして販売されている。
原料選択のポイント
原料にはスケトウダラの冷凍すり身が使用されることが多い。長いもは形のそろった、まっすぐなものを選別する(写真2)。
写真②-1024x606.jpg)
加工技術
長いもかまぼこは冷凍すり身を用いた一般的な蒸しかまぼこと同様の工程で製造される。解凍した冷凍すり身を空ずりした後、塩を加えて塩ずりして、さらに調味料を添加して本ずりする。長いもは前処理をせずに成形の工程から使用する。加熱は蒸煮により行われる。
製造工程の概略

加工の実際
- 原料 魚肉は主にスケトウダラの冷凍すり身を使用する。長いもは十分洗浄したものを皮の付いたまま使用する。
- 擂潰 サイレントカッターや石臼を用いてすり上げる。
- 成型 長いもを包み込むようにして、擂潰した肉糊を巻く。
- 加熱 中心部の長いもが加熱されるまで十分に蒸し上げる。
加工に用いる機器等
サイレントカッターまたは石臼、蒸し器、真空包装機
品質管理のポイント
原料の長いもは加熱していないものを使用するので、洗浄および成形後の加熱、殺菌は十分に行うことが必要である。加熱が不十分であると品質の劣化が速くなる。保存は冷蔵(10℃以下)で行う。
製品の形態
製品には円筒形や山型をしたものがあり、大きな長いもが丸ごと入っているのが見えるようにして、1本ずつ真空包装されている(写真3)。
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包装および保管方法
真空包装で冷蔵保管(10℃以下)する。賞味期限は40日間程度である。
調理方法および食べ方
そのまま、あるいはわさび醤油でいただく。フライ、炒め物にして食べてもおいしい。
コラム
「長いもかまぼこにまつわる話題」
鳥取県中部地域では砂丘地を利用した長いもが生産が盛んで、特産品「砂丘長いも」となっている。この地域では明治時代には、冠婚葬祭において長いもの入った飾りかまぼこが作られており、これをもとに、長いもをそのまま1本中心に使用し魚肉で包んで成形した長いもかまぼこが作られるようになった。1985年の発売当初、製品は紅白に色づけされたりして地元のスーパーマーケットなどで販売され主に地元で消費されていたが、現在では鳥取県ふるさと認証食品として認定されて、地域の特産物として土産物にもなっている。
(著者:鳥取県産業技術センター 加藤 愛)
