ししゃも塩干品とは
ししゃも塩干品は、シシャモを塩水に浸けて、その後乾燥した加工品である。
シシャモはアイヌ語の「ススハム」が語源で「柳葉魚」と書く。アイヌの伝説で、神が柳の葉を魚に変えて人々を飢餓から救ったという話に出てくる魚がシシャモである。この北海道太平洋岸で漁獲されるものが下に示した分類上のシシャモであるが、一般市場で流通しているししゃも塩干品のほとんどが輸入のカラフトシシャモを原料としている。
カラフトシシャモは当初、国産のシシャモ漁獲量が減少したため代用品として輸入されるようになったが、現在はカラフトシシャモで製造した商品が国産シシャモの商品よりもはるかに多く出回っている。原料は主にアイスランド、ノルウェー、カナダ等から輸入されており、北海道産に比べて安価である。
◆ シシャモ(キュウリウオ科シシャモ属)
北海道太平洋岸のみに分布する日本固有種。鱗が大きい。産卵期に河川を遡上する。
◆ カラフトシシャモ(キュウリウオ科カラフトシシャモ属)
北海道以北の北極を中心にした寒海域に分布。鱗が細かい。産卵期に岸近くに来遊する。
(本文末尾のコラム 「シシャモが家庭の味に」もご参照ください)
主な生産地
全国各地で生産されるが、とくに茨城県、北海道での生産が多い。
原料選択のポイント
原料魚は、北海道太平洋岸で漁獲されるシシャモのほか、アイスランド、ノルウェー、カナダ等から子持ちのカラフトシシャモ(写真1)が輸入されている。アイスランド、ノルウェーでは資源保護のためたびたび禁漁年を設けており、その年には他国からの輸入が増える傾向にある。2023年のカラフトシシャモ(冷凍)輸入量は約2万tである。(農林水産物輸出入統計)
産卵のためにアイスランド、ノルウェー、カナダ等の沿岸に近づいたカラフトシシャモはまき網や定置網で漁獲され、雌雄選別後、サイズ別に冷凍して日本に送られる。
北海道産は輸入品よりも美味であるが、漁獲量が少ないため高価である。
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加工技術
ししゃも塩干品は、シシャモを塩水に浸けて、その後乾燥した加工品である。ほとんどが水分量の多い「生干し」であるため貯蔵性はあまり高くない。製品は出来上がりと同時に凍結されて冷凍状態で流通する。多くの場合、店頭で解凍され、冷蔵状態で販売される。
製造工程の概略

加工の実際
- 原料 北海道産のシシャモや輸入の冷凍カラフトシシャモが使用されている。
- 解凍・塩水漬け 食塩水に浸漬する。
- 乾燥 乾燥機で乾燥させる。
- 選別 傷物を除く。
- ストロー刺し 乾燥・選別したシシャモをトレーに並べ、頬にストローを刺す。
- 冷凍 急速凍結機で冷凍する。
- 検査 X線検査等を行う。
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(提供:株式会社ヤマイシ)
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(提供:株式会社ヤマイシ)
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(株式会社ヤマイシ 提供)
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(提供:株式会社ヤマイシ)
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(提供:株式会社ヤマイシ)
加工に用いる機器等
乾燥機、冷凍機 等
品質管理のポイント
水分が多く、塩分が少ないため貯蔵性が低く、低温での流通や保管が必要である。
特徴的な成分
ししゃも塩干品やこれを用いたフライ製品は、骨が柔らかく丸ごと食べられるので、カルシウムを多く摂取できる。(出典:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年)
(水産物に含まれる各種成分の効能については、「この図鑑の使い方」末尾の【参考情報】をご参照ください)
製品の形態
プラスチック製のストローをシシャモの頬に通してトレーにのせ、ラップで包装する。(写真9,10)
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(提供:株式会社ヤマイシ)
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(提供:株式会社ヤマイシ)
包装および保管方法
購入後は、冷蔵(10℃以下)で保管する。
調理方法および食べ方
そのまま焦がさないように弱~中火で焼いて食べるのが一般的である。その他フライ、唐揚げや春巻き等にしても美味である。
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コラム
「シシャモが家庭の味に」
1965年頃、国内のシシャモ漁獲量は 2,500 t程度であり、非常に高価であった。1967年アイスランドから2tのカラフトシシャモが輸入されたのをきっかけに年々輸入量が増え続け、1973年には5万tまで輸入量が増えた。それまでは高級魚であったが、この頃、一般家庭でも食べることのできる大衆魚としてのイメージが定着した。
なお、2023年の冷凍シシャモ輸入量は約2万tである。(農林水産物輸出入統計)
(著者:茨城県水産試験場 鈴木 美紀、矢口 登希子)
(執筆協力:株式会社ヤマイシ)
