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第4章 ねり製品 第10節 燻製かまぼこ

そうだがつお燻製かまぼこ

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主生産地

保存方法

冷蔵保存

キーワード

燻製かまぼこ/富山/スケトウダラ冷凍すり身/低利用魚/アルカリ晒し

備考

Sodagatsuo-kunsei-kamaboko

そうだがつお燻製かまぼことは

 富山湾で水揚げされたソウダガツオ(マルソウダ)を主原料として製造したかまぼこに、燻煙を施したものである(写真1、2)。ソウダガツオは、富山県で多い年は1,000トン以上水揚げされるにもかかわらず(図1)、利用度の低い魚であったが、燻製かまぼこの原料として利用する方法を開発して製品化につなげた。1995年(平成7年)には全国蒲鉾品評会において農林水産大臣賞を受賞し、同年の第34回農林水産祭では天皇杯を受杯している。
(本文末尾のコラム「富山湾のソウダガツオ」もご参照ください。)

図1 富山県におけるソウダガツオの漁獲量の変化 (富山県水産漁港課)

主な生産地

 富山県

生産と消費の動向

 生産量はソウダガツオの漁獲量によっても変動するが、一定の需要があり、地元氷見市内の販売店や通信販売で販売されている。

原料選択のポイント

 主原料のソウダガツオは、富山湾で水揚げされる体長約20~30cmのもので、脂が少なく鮮度の良いものを使用する。ソウダガツオは赤身魚であり、死後直後から魚肉のpH低下が著しく、ゲル形成能に与える影響が大きい。このため鮮度の見極めは重要である。

加工技術

 製造工程は一般のかまぼこの場合とほとんど変わりないが、水晒しの工程では、アルカリ晒しをすることですり身のpHを中性付近に調整してゲル形成能の改善を図っている。また、燻煙は赤身魚特有の魚臭の抑制と風味付け、色付けが主目的であり、『そうだがつお燻製かまぼこ』の味および外観を向上させている。

製造工程の概略

加工の実際

  • 水晒し アルカリ晒しを3回行う。まず0.3%重曹水で晒し、続いて0.1~0.2%重曹+0.1%食塩水で2回晒す。

  • 脱水  耳たぶくらいの硬さになるまで脱水を行う。

  • 擂潰らいかい ソウダガツオすり身60%、スケトウダラ冷凍すり身40%を混合する(空ずり)。塩を加えて塩ずりした後、アミノ酸、デンプン、卵白、砂糖、みりんを混合する(本ずり)。

  • 蒸煮 95℃で30~45分間蒸煮する。

  • 燻製 低温で4~5時間燻煙をかける。

  • 冷風乾燥 22~23℃で一昼夜冷風乾燥する。

  • 包装 真空包装する。

  • 殺菌 90℃前後で20~30分間蒸気殺菌する。

加工に用いる機器等

 擂潰機(サイレントカッター)、成形機、蒸し器、燻製機(スモーカー)等

品質管理のポイント

 弾力を保持した製品とするために、ソウダガツオ魚肉のアルカリ晒しは必須である。また、製品の風味に強く影響を及ぼす燻製工程の管理が重要である。

製品の形態

 1本ずつのばら売りか、5本セットにした箱詰めで販売されている。

包装および保管方法

 真空包装されているので、10℃以下で1ヶ月間の保存が可能である。

調理方法および食べ方

 スライスしてそのまま食べるが、チーズなどを挟むとさらにおいしい。

コラム

「富山湾のソウダガツオ」

 富山県でカツオといえばソウダガツオを指す場合が多い。秋季に富山湾に接岸し、定置網で漁獲される。年間の漁獲量は2013年頃までは1,500 トン以上程度と多かったが、最近は減少傾向であり約800トン(2015~2024年の平均)程度が漁獲されている(図1)。鮮度低下が速く血合肉も多いため、生食用としてはあまり利用されない。

(著者:富山県農林水産総合技術センター食品研究所 原田 恭行・同水産研究所 小善 圭一)