フレッシュキャビアとは
フレッシュキャビアは、低温殺菌処理などを行わず、チョウザメの卵を塩漬けだけで製造されるもので、主にオードブルなどに使われる高級食材である。チョウザメは硬骨魚綱の条鰭亜綱に属し、原始的な特徴を有している。チョウザメの天然資源は世界的に減少しており、主に養殖により生産されている。
主な生産地
統計資料がないので詳細は不明であるが、宮崎県内で多く生産されており北海道ほかでも生産されている。
兵庫県では美方郡香美町小代区で1996(平成8)年から養殖を開始し、2005(平成17)年に関西で初めて採卵に成功した。チョウザメは生後およそ3年で食用サイズとなり、8年以上でキャビアが取れるようになる。現在、小規模ではあるが兵庫県でもキャビアが生産されている。
原料選択のポイント
チョウザメの卵がキャビアに適した大きさになっていることを確認する。水揚げ後に別の水槽に収容し、5~7日餌止めしたチョウザメを使用する。
使用する副原料
塩
加工技術
塩漬けにすることで水分の除去と浸透した塩の水分活性低下作用により、変質や腐敗を防止する。
製造工程の概略

加工の実際
- 卵径確認 魚体から卵を検査棒で取り出して2.8~3.0mm以上になっていることを確認する。
- 餌止め 臭みを抜くため、水揚後に別の水槽に収容し5~7日餌止めする。(写真1)
- 血抜き・ひれ・頭部等の除去 卵質を確保し、非食部分を除去する。(写真2)
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- 卵の採取 腹部を切開し卵を採取する。(このとき卵は繋がっている。)
- 解卵 ざるを用いてごみを除きながら卵をバラバラにする(写真3)。
- 不純物除去 血やごみを目視で丁寧に取り除く(写真4)。
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- 水切り 水切りを十分に行うことで、振り塩をしたときに表面に塩粒が残る状態になる。
- 塩漬け 約3%の塩を振りかけ、塩漬けにする。
- 瓶詰 塩漬けの翌日に30gずつ瓶詰にする。(写真5)
- 製品 10℃以下で冷蔵保存する。1ヶ月以上保管する場合は冷凍する。(写真6)
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加工に用いる機器等
包丁、バット、ザル、フルイ
品質管理のポイント
水揚後の餌止めと解卵、異物除去後の水切りが重要である。製造作業の道具は湯煎で殺菌する。
製品の形態
30gずつ瓶詰めした状態で出荷される。
包装および保管方法
10℃以下冷蔵保存する。1ヶ月以上保管する場合は冷凍する。
調理方法および食べ方
キャビアは何も添えずそのまま提供するのがもっとも贅沢であるが、トースト、カナッペにのせたりソースと和えたりして、豪華なオードブルに付け合われることが多い。美方郡香美町小代区ではチョウザメのにぎりにのせて提供される。
参考文献
・阿部宗明、落合 明.魚類の起源と系統「原色魚類検索図鑑Ⅲ」北隆社.1989;7-26.
・日本チョウザメ研究会.「キャビアにロマンを求めた人々」丸善プラネット株式会社.2002;23-29.
・水産庁.これまでの養殖業の展開「平成25年度水産白書」.2013;11.
・平岡潔.国内外のチョウザメ養殖の現状と課題「月間アクアネット」湊文社.2019;5:20-23.
・宮崎県のチョウザメ養殖「月間アクアネット」湊文社.2019;5:24-25.
(著者:兵庫県立農林水産技術総合センター 但馬水産技術センター 妹背 秀和)
(取材協力:小代内水面組合、株式会社 月とすっぽん)
