目次
第3章 調味加工品 第2節 焼き加工品

うなぎ白焼・蒲焼

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主原料

保存方法

冷蔵保存/冷凍保存

キーワード

白焼/蒲焼/腹開き/背開き

備考

Unagi-shirayaki/kabayaki/伝統的加工品

うなぎ白焼・蒲焼とは

 ウナギを開きの状態に捌いて、ただちに素焼きしたものが白焼、それをさらに醤油やみりんなどで作ったたれをつけながら焼いたものが蒲焼である。「関西風」は腹開きにし 頭を付けたまま焼くことが多く、「関東風」は背開きにして頭を落とし、白焼きにした後、蒸すことが多い。 

生産と消費の動向

 ウナギの養殖が本格化したのは明治後期で、その後、国内の各地で盛んに行われるようになった。
 国内におけるウナギの消費量は1980年では11万tであったが、輸入品の増加とともに増大し、2000年には16万tに達した。その後減少に転じ、2013年には3万t、近年は5~6万tとなっている。ウナギの消費量に占める国内生産量は2000年頃にかけて2割程度まで減少し、現在は3割程度となっている。1990年以降中国からの輸入量が著しく増加しており、輸入品の増加が国内の養鰻およびウナギ加工業界に大きな影響を与えた図1

図1 ウナギの消費量とその内訳
国内生産量:農林水産統計
輸入量:貿易統計(活鰻および加工品(活鰻換算値))
消費量:国内生産量+輸入量
中国:中国からの輸入量(香港を含む)
台湾;台湾からの輸入量

原料選択のポイント

 通常、200~300gほどの活鰻(生きた状態のウナギ)で脂が適度に乗っているものを使用している。

加工の原理

 良い風味と弾力ある肉質の製品を得るために、生きたウナギを開きの状態に捌いて白焼にする。その後、蒸してからたれを付けて焼くことで、ウナギの風味とたれの風味がうまく調和された良好な蒲焼ができあがる。

製造工程の概略

加工の実際

  • 原料 約200~300gで脂が乗った生きたウナギを使用する。

  • 活きしめ 池から取り上げてかごに入れ、流水で1~2日間十分に活きしめ(絶食状態にしておくこと)を行い、泥や餌などを吐き出させるとともに、臭みを抜いたり、肉質を向上させる。

  • 開き 固定するために目打ちをする。背開きあるいは腹開きの状態に捌く。

  • 中骨・内臓の除去 中骨や内臓を取り除く。

  • 頭の除去 頭を除去する。

  • 串打ち 開きの状態に捌いたウナギを切ってから串打ちする。熟練を要するものであるが、現在では機械化もされている。

  • 焙焼 コンベヤー式の赤外線焙焼機などが使用されている。片面焼、両面焼、反転式などがあり、焙焼時間は各加工場で異なる。一例として片面焼の場合は、最初に皮側から焼き、次に肉側を焼く。白焼きは、冷凍する。

  • たれ付け 蒲焼は、たれをつける。

  • 焙焼 蒲焼は、たれを付けながら焙焼する。写真1

写真1 うなぎ蒲焼製造ライン(提供:静岡県水産・海洋技術研究所)

  • 冷凍 急速凍結する。

  • 包装 真空包装する。

  • 出荷 梱包して出荷する。

加工に用いる機器等

 串打ち機、焙焼機、急速冷凍機、真空包装機 など

品質管理のポイント

 原料の品質、気温や湿度によって火加減などを調整している。製品の品質を維持するために、真空包装した後に加熱殺菌し、急速冷凍する製品もある。

製品の形態・包装等

 長焼および切った状態で、そのまま箱詰め、あるいは真空包装品として出荷する場合が多い。

調理方法および食べ方

 電子レンジ加熱が一般的だが、商品パッケージに記載された方法で温めるのが良い。
白焼は、醤油やポン酢、薬味を変えることによって様々な楽しみ方ができる写真2
蒲焼は、フライパンやグリルなどで温めると一層おいしく食べられる写真3

写真2 うなぎ白焼製品 (提供:静岡うなぎ漁業協同組合)
写真3 うなぎ蒲焼製品  (提供:静岡うなぎ漁業協同組合)

参考文献

・農林水産省大臣官房統計部.海面漁業生産統計調査結果.「農林水産統計」漁業・養殖業生産統計年報.内水面漁業・養殖業魚種別生産量累年統計(1990~2023年参照)
・財務省「貿易統計」農林水産物輸出入統計(1990~2023年参照)

(著者:静岡県水産・海洋技術研究所 隈部 千鶴、東海大学 平塚 聖一)