のうさばとは
「のうさば」は、冬期にフグ延縄漁などで混獲されるホシザメを乾製品としたものである。延縄の方言である「のう」と鮫が変化した「さば」が合わさって「のうさば」と呼ばれるようになった。
のうさばは、新鮮なホシザメを背開きにし、冬の潮風で堅くなるまで干されている。福岡県宗像市の鐘崎地区だけで生産されており、正月に数の子のように料理として食べることから「鐘崎数の子」とも呼ばれる。数の子、するめ、干しタラをミックスしたような味である。
主な生産地
福岡県宗像市鐘崎
生産の動向
のうさばは、自家消費用、親類への贈答品として、12月から2月にかけて1漁家あたり4尾程度が加工され、毎年800尾から1,000尾程度が生産されている。ほとんどが鐘崎地区内で消費されているが、近年は珍味としての要望が地区外からも増加しており、地元の道の駅で調理済みののうさばが販売されている。
原料選択のポイント
原料となるホシザメは延縄漁で混獲され、新鮮なものほど良質(色、味等)とされる。大きさは特に決まっておらず、40cm程度から1mを超えるものまでが原料となる。近年、漁獲が不安定になっており、地区内だけでは原料が不足しているため、糸島市の建て網(刺し網)で漁獲されたものも使用されている。
加工技術
のうさばは、食塩や調味液は全く使用せず背開きにした魚体を乾燥させるだけである。そのため加工品の品質は気温に左右され、低温で乾燥するほど品質はよい。
製造工程の概略

加工の実際
- 原料 宗像漁協で操業される各種延縄漁の混獲物や糸島市産原料を購入して使用する。
- 背開き 開いた後、背骨、鰓および内臓を除去する。
- 洗浄 血液、内臓等の汚れを水道水で洗い流す。
- 乾燥 捌いた身がきれいに開くように3~5か所に竹ひごを使用して突っ張る(写真1)。3日ほど干し、適度に乾いたら竹ひごを取り除き、そのまま堅くなるまで尾の付け根に紐を付け、屋外に吊るして外気で乾燥させる。
- 販売 店頭で大小混合した状態で販売する(写真2,3)。
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(提供:兒玉昂幸)
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(提供:兒玉昂幸)
品質管理のポイント
新鮮なホシザメを使用し、低温で乾燥させる。
製品の形態・包装及び保管方法
開きにした板状。鉈や小鋸で切るほど堅い。店頭では包装せず販売時に包装紙またはビニール等で包む。
調理方法および食べ方
4~5cm幅に切り、沸騰した湯に浸け(1分以内)たわしで鱗を丁寧に落とす。すぐに水でよく洗い、水気を切った後に短冊切りにし、調合したたれに漬け込む。2日から3日漬け込むと味が浸み込み、食べ頃となる。
(つけ込みたれの例) 薄口醬油:日本酒:みりん=1:1:1、赤唐辛子 少々、砂糖 少々
(著者:福岡県水産海洋技術センター 兒玉 昂幸・瀧口 克己)
