目次
第11章 節類 第1節 かつお節

かつお節

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主原料

保存方法

常温保存

キーワード

本枯節/裸節/荒節/亀節/あんじょう/カビ付け/枕崎/指宿/焼津

備考

Katsuo-bushi/伝統的加工品

かつお節とは

 カツオを身卸し後、煮熟、焙乾したものである。半身の状態で製造したものを亀節といい、半身を腹皮と背側にそれぞれ四つ割りしたものをかつお節と呼ぶ。また,焙乾の程度が低く水分の多いものをなまり節、カビ付けを行った本枯節、カビ付けしないものを裸節や荒節と呼ぶ。

主な生産地

 鹿児島県(枕崎,指宿),静岡県(焼津)

生産の動向・消費の動向

 鹿児島県及び静岡県における2024年度のかつお節生産量は,25,392トンで、2002年の約40,000トンに比べ,およそ63%と減少している。鹿児島県における2024年度の生産量は19,765トンであり,近年では全国生産量の75%程度を占めている。鹿児島県では、枕崎市と指宿市が、静岡県では焼津市が主な生産地である。

原料選択のポイント

 国内で漁獲されたカツオに加え、海外で漁獲されたカツオも原料として多く利用されている。原料魚の脂質含有量が1~3%程度のもので製造すると、削り節に加工した時に「花がつお」と呼ぶきれいな削り節ができる。一方、脂質含有量の多いカツオで製造すると、削り節にした時に粉状になりやすく、また削り節に加工するときに品質低下を招くため、なるべく脂質含有量の低いカツオを選択する。

加工技術

 煮熟により魚肉のタンパク質を凝固させ、薪を燃やして発生する煙と熱で燻すことで、燻製の香りを付与するとともに魚肉を乾燥する。効率的に乾燥させるために、「燻し」と「あんじょう(火を止めて、カツオの中の水分を均等にする操作)」を繰り返す。また、カビを強制的に付けることで、かつお節の水分除去効果に加え、脂肪も分解され、風味の向上が図られる。

製造工程の概略

加工の実際

  • 解凍 解凍用の容器に水を入れ、エアーで水を循環させながら、冷凍カツオを投入し解凍を行う。一般的に解凍は夜間から翌朝にかけて行う。

  • 身おろし 原料魚が小型の場合は亀節にする。4kg以上の大型の場合、三枚おろしの後、背肉と腹肉に切り離し、4本の節にする。(写真1)

  • 篭立て 身おろししたカツオを煮熟用の篭に丁寧に並べる。

  • 煮熟 90~95℃の湯で90分間程度煮る。亀節では45~60分間程度と短めに煮熟する。(写真2)

写真1 身卸し工程(提供:枕崎水産加工組合)
写真2 煮熟工程(提供:枕崎水産加工組合)

  • 骨抜き 煮熟後、身を放冷する。放冷後、手作業で全ての骨を丁寧に除去する。

  • 修繕 骨抜きの際に形状を損ねた部分に、カツオのすり身を練り込み、成形する。

  • 焙乾 修繕後の身をセイロに並べ、急倉庫と呼ばれる乾燥庫の2階部分にセイロ10枚程度を置き、1階部分で薪を燃やし、焙乾を行う。薪には一般にブナやシイ等の広葉樹が用いられる。節が均ーに乾燥するように、上下の節を順次、入れ替える(1番火という)。一日に複数回薪を燃やし、概ね2週間程度焙乾と放冷(あんじょう)を繰り返し、水分を抜いていく。なお、近年では焼津式乾燥庫と呼ばれる乾燥庫で2日間程度焙乾し、その後、急倉庫で焙乾を行う方法が主流となっているが,製造する節の種類に合わせて,製造業者ごとに使用する乾燥庫の種類,焙乾時間や薪の置き場所等,それぞれ独自の工夫がなされている。

  • カビ付け 裸節をむしろ上で2~3日間、天日干しした後に、カビ付けを行う(写真3)。およそ10日後に青緑色の1番カビが付く。これをむしろに並べて天日干し後、ブラシで表面のカビを払い落とす。10~14日後に、2番カビに覆われるので、1番カビと同様に、天日干しして払い落とす。このカビ付け操作を普通、4回行う。カビ付けが終わった節を本枯節という。
写真3 カビ付けしたかつお節
(提供:山川水産加工業協同組合) 
写真4 本枯節とかつお枯節削り節
(提供:山川水産加工組合)

加工に用いる機器等

 煮釜、急倉庫(かつお節専用乾燥庫)

品質管理のポイント

 焙乾の最初は、薪を多く燃やして温度を高くし腐敗等の品質劣化を防ぐ。夜間はあんじょうを十分行い乾燥効率を高めるようにする。

製品の形態、包装、保存方法

 削り節加工業者向けに出荷する場合は、荒節や裸節をダンボールに梱包し出荷する。節のまま販売する場合は真空包装し、削り節として販売する場合は窒素充填したフィルム袋に入れ常温流通される。近年はかつお節のまま販売するより、削り節に加工され販売される場合が多い。

調理方法および食べ方

 削ってダシ取りに使ったり、豆腐やお好み焼きのトッピングとして食される。

(著者:鹿児島県水産技術開発センター 保 聖子)