笹かまぼことは
魚肉に塩を加えてすり潰し、副原料を加えて笹の葉型に成形し、ガス炉や電気炉を用いて焙焼したものが笹かまぼこである。一説では明治の初期に仙台市内のかまぼこ屋が、当時仙台湾で豊漁であったヒラメを調味すり身にし、手の平で叩いて笹の葉型のかまぼこにして売り出したのが始まりといわれている。
主な生産地
宮城県
生産と消費の動向
笹かまぼこの主原料となるすり身や副原料の価格が急騰し、人件費、配送費も上昇するなど、生産コストが高騰し、生産現場は厳しい環境にある。そのような中、生産の効率化、原材料の見直し等を行い、商品の品質維持、安定供給に努めている。
宮城県の土産や贈答品として、根強い人気のある笹かまぼこは伝統的な白い笹かまぼこだけでなく、チーズ入りやミニサイズなどの商品も生産されている。近年は、良質なタンパク質を摂取できるヘルシーな食品として、健康志向の面からも注目されている。
原料選択のポイント
1940年代頃までの主原料は、近海のヒラメ、キチジ、タラなどであったが、現在はスケトウダラ冷凍すり身が主となっており、高級品にはSA級、FA級のすり身が使用されている。
加工技術
魚肉に2~3%の食塩を加えてよくすり潰すと、魚肉中の塩溶性タンパク質が溶解し粘性の強い肉糊ができる。この肉糊を加熱すると弾力を有するかまぼこゲルになる。笹かまぼこは、肉糊を焙焼することによってゲル化させたねり製品である。
製造工程の概略

加工の実際
- 原料 すり身を自家生産する場合は採肉、水晒し、脱水等の工程が必要となるが、現在はスケトウダラ冷凍すり身を主原料として使用している。高級品では、SA級やFA級の冷凍すり身が用いられ、キチジ、ヒラメ、タイなど魚肉が加えられることもある。
- 擂潰・調味 冷凍すり身を解凍し擂潰機またはサイレントカッターに入れ空ずりした後、塩を加えて塩ずりし、さらに調味料を加えて仕上げ(本ずり)を行う。また、ボールカッターを使用する場合は調味しながら、すりあげていくこともある。
- 成形 調味すり身を笹の葉型の型抜き機に入れ成形する。
- 焙焼 笹の葉型に成形したすり身を金串に刺し(写真1)、自動式のガス炉や電気炉を用いて、低温部において坐り工程を兼ねた予備加熱を行い、次いで高温部で焼色(焼目)が付くように両面から焙焼する(写真2)。焙焼後は金串を抜いて(写真3)、冷却する。
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(肉糊を金串につけて成形し、焙焼工程へ)(撮影;岡﨑恵美子)
写真-②-1024x765.jpg)
(提供:(株)ささ圭)
写真-③-1024x765.jpg)
(焼きあがった笹かまぼこを串から抜くところ)(撮影;岡﨑恵美子)
加工に用いる機器等
擂潰機、サイレントカッター、ボールカッター、成形機、焼炉、トンネルフリーザー、コンベア式放冷機、ピロー包装機、ストレッチ包装機、真空包装機
品質管理のポイント
HACCPに基づいた安全で衛生的な食品製造を行うことが基本となる。擂潰は原料の状態、その日の気温や湿度に合わせて混ぜ合わせ、加熱は中心部までしっかり加熱し、表面に綺麗な焼き色をつけることがポイントで、焼きあがったかまぼこを急冷することで、ひきしまった食感に仕上げる。
製品の形態
笹かまぼこは、個人消費用として購入されるほか贈答用、土産用としても重用されている。
個人消費用、贈答用、土産用は1枚ごとに袋に入れられているものが多く、個人消費用の一部、業務用は袋に5~10枚入れになっている。従来からの笹かまぼこ(写真4)に加え、チーズ入りや燻製品、ミニかまぼこや大判かまぼこなどの種類が増えている。
写真-④-1024x681.jpg)
包装および保管方法
ひとつひとつ人の目で確認しながら、包装し、包装された商品は冷蔵保管室で管理する。
賞味期限は、包装形態・保存条件により、大きく異なり、簡易包装の場合は10℃以下で約1週間程度、真空パックの場合は約30日程度である。最近は加圧加熱殺菌などの工程を取り入れて常温で長期保存可能な商品もある。
調理方法および食べ方
おやつ感覚でそのまま丸かじりするか、薄く切ってご飯のおかずや酒のつまみにしたり、煮込み料理等の具材として食される。
(宮城県水産技術総合センター 菅原 幹太、鈴木 貢治)
(協力:株式会社 ささ圭)
