目次
第3章 調味加工品 第1節 佃煮

やまめ甘露煮

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主原料

主生産地

保存方法

常温保存

キーワード

甘露煮

備考

Yamame-kanroni/伝統的加工品

やまめ甘露煮とは

 ヤマメを砂糖、醤油、酒、水飴、唐辛子等を加えて煮込み味付けした伝統的な加工品である写真1

写真1 やまめ甘露煮 (提供:やまめの里) 

主な生産地

 宮崎県内の五ヶ瀬町、椎葉村(しいばそん)、三股町、小林市 等

原料選択のポイント

 均一な加熱・味付のため、適したサイズ(40~50g、15cm程度)を限定して使用するのが望ましい。現在は原料のほとんどが養殖魚であるため、飼育段階から加工用を選別し給餌量を調整しながら、1年間程で該当サイズに飼育している写真2

写真2 原料となるヤマメ (提供:やまめの里) 

加工技術

 宮崎県内の五ヶ瀬町で製造している甘露煮は炭火で焙乾する点が特徴といえる。炭火で遠火にして時間をかけて加熱することで、骨まで食べられる柔らかさになり、独特の炭の香りも楽しむことができる写真3

写真3 焙乾したヤマメ (提供:やまめの里)

製造工程の概略

加工の実際

  • 原料 工場からすぐ近くの養殖場で原料魚を取り上げ(写真4)、活け締めを行う。

  • 内臓処理 腹に2㎝程度の切り込みを入れ、そこから内臓を掻き出す(写真5)。流水で洗浄し、冷蔵庫で1日間静置する。冷蔵庫で1日間静置することで、焙乾の際にひれが立たず、良い製品ができる。

写真4 ヤマメの取上 (提供:やまめの里) 
 写真5 内臓処理 (提供:やまめの里)

  • 焙乾 鉄製の棒に尾びれをクリップで挟み吊るす写真6)。重ならないように均等に炭窯に並べ(写真7、鉄製のふたを被せ約45分間焙乾する。焙乾の程度は重さを確認しながら様子を見る。火が通り乾燥したら炭窯から取り上げ放冷する。

写真6 ヤマメを吊るした様子 (提供:やまめの里) 
 写真7 炭火で陪乾する (提供:やまめの里)

  • 煮付 鍋底に焦げ付き防止のため竹の皮を敷き、魚が動かないように鍋に並べる(写真8)。初めにダシ、梅干し、唐辛子、茶葉等と共に重石をして1時間半ほど煮る。その後、ザラメ、料理酒、赤酒を入れ再び重石をして1時間ほど煮る。最後に醤油、水あめを加える(写真9)。出来上がりの品質が一定となるように、糖度を測定しながら煮る。煮あがったら火から降ろして冷ます。

写真8 鍋に並べた様子 (提供:やまめの里)
写真9 煮付 (提供:やまめの里)

  • 包装 冷めたら小さいものは4尾パック、大きいものは3尾パックにしてパウチ袋に詰め、真空包装する。

  • 殺菌 80~90℃の湯で約30分~1時間湯煎殺菌する。

  • 冷却 室温になるまで放冷する。

  • 製品 梱包して出荷する。

加工に用いる機器等

 専用の炭窯、鍋、真空包装機 等

品質管理のポイント

 味が染みこむように炭火で原料魚を乾燥させて、水分活性を低下させることで保存性を高める。湯煎殺菌は温度を管理しながら行う。

製品の形態

 通常パウチ袋に詰められた製品である。上述の味付けのほか、昆布巻きや山椒煮、しぐれ煮などの製品もある。また、おせちの商材として年末に多く生産されている(写真10、11)。

 写真10 やまめ山椒煮 (提供:やまめの里) 
写真11 やまめしぐれ煮 (提供:やまめの里)

包装および保管方法 

 パウチ袋に詰め、真空包装し、湯煎殺菌しているため、常温で3か月間保存が可能である。

調理方法および食べ方 

 そのまま食べてもよいが、温めて食べるとより一層おいしく食べられる。

(著者:宮崎県水産試験場 橘木 啓人)
(取材協力:やまめの里)