目次
第4章 ねり製品 第4節 ちくわ

牡丹ちくわ

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主生産地

保存方法

冷凍保存

キーワード

スケトウダラ冷凍すり身/サメ/焼きちくわ/気仙沼/おでん

備考

Botan-chikuwa/伝統的加工品

牡丹ちくわとは

 牡丹状の膨らみが全体的にあるのが特徴的で、おでんなどの煮物に向くちくわである。焼き目を牡丹の花びらに見立てて名づけられた。煮た場合に煮汁を多く吸い込みふっくらとソフトでボリュームが出るのは、原料にサメ肉を加えることによる。
 明治・大正時代には地先で原料のアブラツノザメが多く漁獲されたことから、宮城県の気仙沼地方は日本有数の生産地であったが、昭和に入ってからは三陸のアブラツノザメ資源の減少に伴って、生産地は青森・北海道など全国に広がった。気仙沼では現在ほとんど生産されていない。

主な生産地

 青森県、宮城県、新潟県、兵庫県

生産と消費の動向

 生産量は小型の生食用ちくわに押され生産は年々減少している。しかし、近年のおでんブームの中で、よく入れるおでんの具の第1位はちくわであるとの調査結果もあり、さまざまな料理の食材としても、根強い需要があることがうかがえる。

原料選択のポイント

 従来は近海で漁獲されるアブラツノザメが主原料であったが、現在はスケトウダラ冷凍すり身が主原料である。サメはアブラツノザメ(気仙沼産の冷凍すり身)、ヨシキリザメ(気仙沼産の冷凍すり身)等が使用される。

加工技術

 焙焼過程において、最初は弱火で表面に焼色のない薄い皮を作りながら7割程度を焼き上げ、次いで強い炎で急激に焼き上げることで牡丹状の膨らみを形成する。

製造工程の概略

加工の実際

  • 原料 スケトウダラ冷凍すり身に対し、サメすり身を10~30%使用する。

  • 塩ずり 塩を2~3%加え擂潰らいかいする。

  • 本ずり でん粉、砂糖、味醂等を加える。その後、食感調整のために水を加える。

  • 成形 自動成形機で本ずりしたすり身を串に巻く(写真1)

  • 焙焼  数分間の坐り後、ガス式の焼炉の上で焼く。最初は、弱火で表面に焼色のない薄い皮を作りながら70%程度焼き上げ、次いで強い炎で急激に焼き上げて、ぽたん状のふくらみをつけながら仕上げ焼をする(写真2)

  • 冷却・凍結 急速に冷却して細菌の増殖を抑え、凍結する。

  • 包装 自動包装機で袋詰め、または箱詰する。

  • 検査 金属探知器および目視による。

 

加工に用いる機器等

 擂潰機、自動成形機、焙焼機、急速凍結機、自動包装機

品質管理のポイント

 急速凍結した後、-10℃以下で冷凍貯蔵することにより、賞味期限は180日と長期保存が可能である。

製品の形態・包装

 家庭用に数本ずつ包装したものと、業務用に50~200本を裸のまま段ボール箱入れしたものとがある。

調理方法および食べ方

 製品(写真3)のほとんどはおでんの材料等煮物に利用している。輪切りにして、ワサビ醤油かマヨネーズをつけ、酒の肴やおかずとしてもよい。

写真3 牡丹ちくわ製品(宮城県水産技術総合センター撮影) 

参考文献

・株式会社 紀文食品.紀文・47都道府県 家庭の鍋料理調査2025. 「紀文・鍋白書データ(2025年調
査版)」 https://www.kibun.co.jp/cms1/kibuncontent/uploads/nabereport2024_241017.pdf

(著者:宮城県水産技術総合センター 菅原 幹太・鈴木 貢治)
                           (取材協力:株式会社 高橋徳治商店)