いか丸干しとは
いか丸干しは、小型のスルメイカを内臓を除去せずに丸ごと塩漬けし、乾燥させた加工品である。
佐渡および北陸沖におけるスルメイカ漁の初期(6~7月頃)は、小型のイカが主体である。小型イカの特徴は、内臓は小さいが肉が薄く、肉質が柔らかいため、水分の除去が容易であり、丸ごと干物にする「丸干し」の原料に適している。
現在生産されているいか丸干しは、大きく分けると2種類に分類され、①水分が少ないハードタイプ(常温流通品)、②水分が多いソフトタイプ(低温流通品)がある。
ハードタイプの特徴は、常温保存が可能であるが硬く、製品によっては塩分が強いが、昔から食べられてきた地域では好まれている。
ソフトタイプの特徴は、水分が多いため低温で保存・流通する必要があるが、柔らかく塩分が低めであり、食べやすい製品となっている。
主な生産地
かつては鮮度の良い小型のスルメイカが漁獲される地域で主に生産されてきたが、冷凍技術の進展により、高鮮度の冷凍イカを原料とした製品も全国各地で作られるようになった。現在の主な生産地は、新潟県、富山県、石川県等の日本海側を中心とした地域である。
原料選択のポイント
本製品は、6~8月に近海(佐渡沖)で漁獲された100g程度の小型の釣りスルメイカを生のまま原料としている。しかし漁期が限られるため、原料が少ない場合は、県外産船凍イカを使用することもある。
加工技術
塩漬けし、乾燥することにより腐敗しにくくなる。また、小型のイカを原料とするため乾燥時間が短時間で済み、保存性が向上し、うま味も増す。以下、ソフトタイプの製品の加工について示す。
製造工程の概略

加工の実際
ソフトタイプの製品の作り方
- 原料 佐渡産釣りスルメイカの生原料を使用する。生イカを使用することにより、冷凍原料を用いた製品にはない、深みのあるまろやかな味わいとなる。
- 塩漬け 生イカに塩をまぶしてなじませ、その後海洋深層水を脱塩して得たミネラルが豊富な水を加えて漬け込む。
- 乾燥 真水で洗い余分な塩を取り除き、1本ずつ並べて2日間30~50℃で温風乾燥する。(写真1,2)
- 包装 乾燥の程度を見極めて計量し、3~4本ずつ袋詰めする。もしくは1kgを箱詰めし、包装する。
- 保存 箱に詰めて急速凍結し、-15℃以下で保存する。
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(提供:有限会社 大上塚本商店)
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(提供:有限会社 大上塚本商店)
加工に用いる機器等
乾燥機
品質管理のポイント
小型のスルメイカは鮮度が低下しやすいため、朝市場で仕入れた後すぐに加工する。
また、ソフトタイプのいか丸干しは、ハードタイプよりも水分が多く腐敗や品質劣化が進行しやすいため、すぐに包装・凍結することにより劣化を防いでいる。
製品の形態と包装・保管方法
丸干しにしたイカを3~4尾ずつ冷凍耐性がある塩化ビニル樹脂製の袋に詰めるか、1kg(24~30尾程度)を箱詰めにして包装し、包装した製品は-25℃で急速凍結し、-15℃以下で保管する。
調理方法および食べ方
お酒のおつまみ、おかず、お茶漬けの具等として食べる。
一般的な食べ方としては、両面を焦がさないように焼いてそのまま、またはスライスして内臓ごと食べる。
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(提供:新潟県水産海洋研究所)
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(提供:有限会社 大上塚本商店)
(著者:有限会社 大上塚本商店 塚本 幸二、新潟県水産海洋研究所 渡辺 寛子)
