せんじとは
かつお節やさば節の製造時に使用した煮熟水(煮汁)を、水飴状になるまで長時間煮詰めたものである(写真1)。家庭用調味料として市販されている。せんじの語源は、煮汁を煎じる(煮詰める)であり、鹿児島県では古くから滋養に効果があるとして親しまれている。

主な生産地
鹿児島県(枕崎、屋久島)
生産の動向・消費の動向
近年は、だしパック等の様々なだし関連商品が販売されており、エキス製品であるせんじの消費量は減少傾向であるが、濃縮されたエキスにはアンセリン等のイミダゾールペプチドが含まれており、健康志向が高い消費者からニーズがある。
原料選択のポイント
原料はカツオやサバの節製造時に用いた煮熟水(煮汁)である。「かつおせんじ」ではカツオだけ、「さばせんじ」では、サバだけを煮た煮熟水(煮汁)を用いる。
加工技術
アンセリン等のペプチドや遊離アミノ酸等の呈味成分を豊富に含有した煮熟液を煮詰めることで、水分活性の低い、水飴状の貯蔵性に優れた調味料の製造が可能である。煮詰める段階で、夾雑物や不純物を除去する。煮汁の温度を一定に保ち、変質を防ぐことが重要である。さばせんじの場合は、煮熟液を直火で濃縮した後に布で濾し、濾液を二重釜に取り、煮詰めて仕上げる。
製造工程の概略

加工の実際
- 原料 原料はカツオやサバの節製造時に用いた煮熟水(煮汁)を用いる。「かつおせんじ」ではカツオだけを、「さばせんじ」では、サバだけを煮た煮熟水(煮汁)を用いる。
- 濾過・加熱 布を用いて濾過した後,およそ100℃で一昼夜加熱し水分をある程度減少させる。その後,再び布で濾過し,蒸気窯でアクを取りながらじっくり時間をかけて、水飴状になるまで煮詰める。
加工に用いる機器等
蒸気窯
品質管理のポイント
煮熟水(煮汁)の温度を高温で一定に保つことで、煮汁の変敗を防ぐことが重要である。
特徴的な成分

健康機能性成分
アンセリン(カツオやマグロなどの遠洋性の回遊魚に多く含まれるペプチドの一種。抗疲労効果や抗酸化作用などの機能性があることが知られている。)
(水産物に含まれる各種成分の効能については、「この図鑑の使い方」末尾の【参考情報】をご参照ください)
製品の形態・保管方法
瓶詰で販売される(写真2,3)。常温保存で流通されるが、開封後は冷蔵保存とする。


調理方法および食べ方
味噌汁、うどんや湯豆腐のタレとして水などに溶かして使用する。
(著者:鹿児島県水産技術開発センター 保 聖子)
(協力者:有限会社 馬場水産 代表取締役社長 馬場 一朗・工場長 馬場 隆樹)
